逗子・葉山版 掲載号:2012年11月30日号
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厚労省が卓越する技能者を称える「現代の名工」に選ばれた 山崎 實さん 葉山町長柄在住 76歳

理容とともに60年

 ○…「ちょっとやってみせようか」。横にハサミを構えるとカシャカシャと目の前で動かしてみせる。片方の刃は止まったまま、片刃だけが小気味よく上下する。一見簡単そうで真似できない、玄人の技だ。この道60年。中学卒業と同時に父の店を手伝い始め、以来理容一筋に生きてきた。4月、12年務めた県理容組合の理事長職を引き継ぎ、町の床屋として”現役復帰”。喜寿を控えた今も日々店に立つ。仕事の魅力を尋ねるとこう返した。「創作意欲だね。意図した形にお客様を仕上げる。技術者の使命だよ」

 ○…選出された背景には長年に渡る理容業界への献身があった。戦後しばらくは「男は床屋。女はパーマ屋」という風潮が続いたが、時代の趨勢とともに顧客のニーズも多様化。「床屋も男女に対応できる技術を身に着けねば」とカット技術の習得方法を体系的にまとめたシステムを作り出した。理容学校や職業科のある高校で理容師を志す若手に20年来指導。同業者にも伝えようと全国を行脚した。その功績は現在のユニセックスサロン普及の一助ともなっている。

 ○…理容業を取り巻く環境は決して明るくない。近年は美容師を目指す若手が増え続け、理容師を志す者は全体の2割程度。平均年齢60歳という高齢化も課題だ。「華やかな美容に対して、男相手で地味というイメージ。技術の習得も難しい」と分析する。曰く、顔剃り3年、カットまで一通りこなせるまで5年。理容技術は一朝一石では身につかない。しかし、だからこそ顧客が安心して任せられる技術者と成りえるのだが。

 ○…長年後進の育成に力を注ぐ。若手を弟子として迎え、これまで50人以上を育ててきた。5年もすると一人前の理容師として店を巣立っていく。ハサミやクシの扱いはもちろん、人を”仕上げる”のもお手の物だ。「人を育てることはこの上もない楽しみだよ」。弟子の成長に目を配らせながら、業界の発展に願いを込める。
 

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