(社)逗子葉山青年会議所(JC)の51代目理事長に就任した 田中 健さん 葉山町一色在住 36歳
原点噛みしめ、新たな1歩へ
○…ニュースから流れる社会情勢に耳を澄ませば、この国の先行きは依然不透明なままだ。だが、自分たちが住むこのまちを、子どもたちに手渡すまちの将来を、曇り空にはさせまい。そんな思いが、理事長を務める今年度のスローガンを「愛するまちのために〜ひとすじの光たれ」と掲げさせた。地元40歳以下の青年がまちづくりに尽力する青年会議所。創立半世紀から1歩目の大役を買って出た理由を問うと「責任感ですね」と歯切れよく返した。
○…20代まで都内の建材メーカーに勤め、結婚を機に葉山に戻った。入会は家業に勤しむ傍ら、取引先の誘いで門を叩いたのがきっかけ。「会社の研修もない今、自分の成長にはなるだろう」。実際、青少年育成のイベント企画やメンバーとの共同作業は自らの糧になった。だがある時、気が付かされた。「自分のためじゃない。まちのためにやるんだ」。専務を務めた年、当時の理事長に釘さされた言葉に目が覚めた。まちのために尽くしたことが結果として己に返ってくるだけなのだ、と。「その時にJCが何たるかを叩き込まれました。今では欲もないです」と笑う。
○…JCの事業は企画立案から実施まで数カ月を要するものもある。昨年は親子向けに手作りいかだで川下りする事業を委員長とともに取り仕切った。選定したコースが危険なく下れるか。早朝の寒さに震えながら試航を繰り返し、時には徹夜を重ねながら準備に奔走した。「苦労して作り上げた事業が無事成功して、仲間の笑顔や涙を見ると本当にJCに入って良かったと思える」。そんな経験が今では何よりの財産だ。
○…ほかの誰かではなく、自分がやるのだ。活動の積み重ねが自身の責任感を育んだ。50周年事業が控える今年度、重圧はある。「でも、仲間とならやりきれる。僕自身も現場で汗をかきながら、背中で引っ張りたい」。全ては愛するまちのために―。JCの原点を噛みしめながら新年度のかじを取る。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|