今日逗子で行われる「この指と〜まれ!ZUSHIROCK(ズシロック)」を企画した学生グループ「3.11つなぐっぺし」の代表 田島 梨央さん 逗子市小坪在住 17歳
学生なりに出来ることを
○…学生である自分たちに、継続的な支援活動は難しいかもしれない。だから考えた。学生なりに何が出来るかを。東日本大震災が発生した3月11日に被災地と地元を繋げるイベントを2年前からメンバーとともに企画している。今年考案したのは高校生によるチャリティーライブ。同世代に向け、音楽を通じて今一度震災や災害といったテーマに向き合ってもらおうと考えた。モットーは「気負わず、楽しみながら」
○…震災から今年で5年。記憶の風化は若者たちの間でも顕著だ。日頃友人との間で話題にのぼることも今やほとんどなくなった。だからこそ、思わずにはいられない。「今同じ災害が起こったらと思うと怖いなって」。記憶の風化は忘れ去るのと同義。未曾有の大災害は予期せず、津波とともに多くの人命を奪い去った。同じ悲劇を繰り返さないよう万が一に備えることこそが得るべき教訓だったはず。「何かあったら取り返しがつかない。だから知るだけでなく、自分で考えることが大事だと思うんです」。イベントはいわば、そのきっかけ作りの場と考えている。
○…中学3年生のとき、岩手県陸前高田市へ赴くボランティアバスツアーに参加。破壊され、吹きさらしになった建物や瓦礫の中から見つかる生活の痕跡。震災から数年を経ても生々しい爪痕を残す津波の凄まじさに思わず息をのんだ。被災地の実情を目の当たりにしたことで、「ニュースでは見えない現実がある」とも感じた。得た経験を、周りの大切な人に伝えよう―。その思いが、学生グループ立ちあげの契機になった。
○…当日は自らもバンドメンバーの一員として前座を飾る。受験勉強に部活、アルバイトと多忙な日々だが、時間の合間を縫って昨年末から練習を重ねた。「ドラムをちゃんと演奏するのは小学生ぶり。1曲だけですが、会場を盛り上げたい」と笑みを覗かせる。楽しみつつも、記憶に残る一日に。それも立派な支援の形だ。
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