5月に開催された「第11回青年調理士のための全日本中国料理コンクール」定食部門で銅賞を収めた 芹澤 卓司さん 逗子市久木在住 37歳
「健康的に美味しく」を追求
○…中華の分野では日本最大級とされる美食の祭典。初めて挑んだ6年前は根拠のない自信こそあったものの、賞獲得は叶わなかった。心構え新たに挑んだ今回は「飾りたてず、普段お客様に出している料理」をモットーに野菜を中心に構成し、健康的で見た目にも鮮やかな品を作り上げた。結果は見事入賞。有名ホテルや老舗料理店ばかりが名を連ねる中に自らも分け入ってみせた。「落ち着いて自分の料理ができた。課題もありますが、やりきれたと思います」と晴れやかな笑みを浮かべる。
○…沼津の出身。幼い頃、母が料理屋を営んでいた影響もあり、高校卒業後、中華料理の世界に飛び込んだ。鍋洗いなど雑用から始まり、現場だけで料理の技術を学んできた叩き上げで、「毎日賄いを作っていたんですが、3年目くらいに初めてお店で『炒飯を出していい』と言われて。あのときは嬉しかった」と修行時代を振り返る。横浜中華街や上野の老舗料理店などを経て、2年前に独立。妻子と暮らす逗子で創作中華料理店「せろりや」をオープンさせた。
○…「中華は本当に奥が深くて」。専門書をめくりながら呟いた。「炒める」という作業一つでも水分や油分量の違いで20近い方法が存在する中華の世界。食材や調味料との組み合わせで皿の形は幾通りにもなる。今や一国一城の主だが、休みの日には他の店に足を運んだり、勉強会に参加したりと研究は欠かさない。
○…「野菜を美味しく健康的に摂れる、そういう中華もあることを伝えたい」。この度企画された三浦かぼちゃを使った料理フェアに参加したのはそんな思いから。それは店が掲げるコンセプトにも重なる。考案したのはかぼちゃをスープ仕立てにし、ふんだんに野菜を取り入れた涼やかな冷やし麺。女性客を中心に評判も上々という。「かぼちゃという食材一つにも色々な食べ方がある。今回参加しているお店と一緒に、イベントも盛り上げられたら」
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