ダイビングガイドとして活動しながら初の写真集を出版した 佐藤 輝さん 葉山町在住 45歳
葉山の海の伝道師
○…葉山町堀内のダイビングショップNANAの代表で、自らガイドを行うかたわら、このほど初となる写真集『湘南波の下水族館』を出版した。15年間、ほぼ毎日葉山の海に潜ってきたから捉えることができた海の豊かさや生命の輝きのほか、今起きている環境の変化を1冊にまとめた。「自分の写真が本になるとは思っていなかったので嬉しい。地域の皆さんに見ていただけたら」
○…葉山町出身。小さい頃から海は身近で、遊び場だった。小学校から都内に移り住んだが、高校・大学とヨット部に所属し、葉山の海に通った。その後、ホテル業界に就職。サラリーマン生活を送るなかでダイビングのライセンスを取得し、その魅力にのめり込んだ。ちょうど業界の浮き沈みもあり、「どうせなら自分が好きなことをやろう」と独立を決意。サイパンで3年にわたる「修行」を経て、地元に戻ってきた。
○…今も昔も、国内におけるダイビングの聖地は伊豆。当時、町内にもショップはあったがいずれも体験がメインだった。「上級者や写真家が訪れる所ではなかった。でも、ここは自分の生まれ育った場所。魅力を解き明かし、広めたい」。ショップには幼い頃、磯遊びへ連れて行ってくれた祖母の呼び名である「ナナ」と名付けた。
○…当初はどこに何が生息しているか、どんなスポットがあるかもわからず、毎日潜っては写真を撮り、図鑑を参考に記録を残す日々。「誰よりも湘南の海を知っているガイドダイバー」という目標は今も変わらない。写真集には海水温の上昇などによる環境の急激な変化や、自身も参加する藻場の再生活動にも触れた。「身近な海のことを考えるきっかけになれば」。葉山の海の伝道師としての日々は続く。
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