今月29日から始まる全国高校総体(インターハイ)の陸上1500mと3000mに出場する 長濱(ながはま) 夕海香(ゆみか)さん 逗子市沼間在住 18歳
闘志携え初の全国へ
○…未完の大器。そんな言葉がしっくりくる逸材だ。高校3年にして臨む初の全国だが、その伸び代はいまだ十分。6月、インターハイ出場がかかった陸上の南関東大会予選。30度を超える炎天下で各選手が苦戦を強いられる中、2種目で自己記録を更新して4位に入賞し、見事全国行きの切符をつかみ取った。
○…一見すると文化系女子を思わせるおっとりとした性格だが、競技中は別人のように表情が切り替わる。貪欲に上位を目指す姿は他校の選手から「怖い」と揶揄されることもあるほどで、指導者も「スイッチが入ってからの集中力はすごい」と目を見張る。決して体格に恵まれているわけではない。それでも小柄な体をめいっぱい使ってただ無心に前へ前へと順位をあげてきた。「特別に意識しているわけじゃないんです。スタートすると勝手に集中できるというか。便利ですよね」。あっけらかんと笑う様子に大物の風格がただよう。
○…競技のスタートラインは沼間小時代。「長距離で自分の走りがうまくハマる感覚が楽しくて」と陸上クラブに通っていた当時を懐かしむ。沼間中に進学してからも陸上部に所属。当時は県大会出場が関の山で目立った記録は残せなかったが中3の夏、三浦学苑陸上競技部顧問の眼にその姿が留まった。「(当時指導者不在で)ろくに練習できていないのに県大会まで進んでいる。これは伸び代がある」と才能の片鱗を感じたという。その後同校へ進学、それまでの数倍に及ぶ練習量をこなし、めきめきと実力を伸ばしていった。
○…全国行きを決めた刹那、去来したのは嬉しさよりもむしろ悔しさだった。この2年間、ライバルとして切磋琢磨してきた同世代のスター選手にあと1歩及ばなかったからだ。「ほんの少しの差だった。それが悔しい」と唇をかむ。全国では再び同じ舞台で相まみえる。本番まであとわずか。「今ある力全てを出し切りたい」と闘志は十分だ。
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