鎌倉税務署長に就任した 岩城 徳郁(のりふみ)さん 60歳
みんなのために「公平に」
○…後輩にこう諭すことがある。「100人のうち、98人がきっちり納税していて、2人が滞納しているとする。私たちは納税してもらえるようその2人のために働くのではなく、納税している98人のために働き2人にも納税してもらう。公平でないと」。これまでに滞納処分という業務も経験し、辿り着いた考え方だ。100人全員が納税義務を果たしてもらうため、「相手の状況を聞き、相談する。信頼関係が何よりも大切なんです」と言葉に力が入る。
○…徳島県・池田税務署から異動し、7月10日付で鎌倉税務署署長となった。署長としては、池田に次ぎ2カ所目。「コロナ下で税務行政も難しさがある。危機管理をしながらマネジメントをやっていかないと」と前を見据える。税務署の仕事のひとつに、会社や自宅を訪問して納税状況を調査する業務がある。人と会わなければ進まない。「コロナでみんな大変な思いをしている。感染症対策を徹底して納税者の安全を守りつつ、粛々と進めていきたい」
○…東京都大田区で生まれ、現在もそこから1時間20分かけて職場へ通う。小中学生の頃は剣道や陸上に汗を流し、高校では一転、軽音楽部でギターに興じる。今はウォーキング、自然豊かな土地をバイクでツーリングするのも楽しみだ。寺社仏閣への関心も高い。鎌倉・逗子・葉山を管轄する鎌倉税務署へ配属され、「古都、そしてきれいな海。うれしいですね」と頬を緩める。
○…高校時代の恩師に薦められ就職した東京国税局。40年以上にわたる公務員人生もまもなく定年を迎える。税務行政を、「世間から厳しく言われることもあるけれど、期待の裏返しでもあると思う」。その信頼を裏切らないよう、最後まで職務を全うする。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|