第5回湘南国際マラソンで優勝した 石井 清加寿(きよかず)さん 相洋高校出身 31歳
家族の支え 走りの原動力
○…約1万5000人のランナーを尻目に、まっさらなゴールテープを切った。「知人や親戚から、手紙やメール、電話でお祝いの言葉を頂いて。あまりの反響に、すごいことをやったんだなと実感しました」と達成感をにじませる。湘南国際マラソンには第1回目の出場以降、3回目のフルマラソン挑戦。過去2回は足のマメがつぶれ、「散々なレース」と苦渋を味わった。平塚市役所陸上部に所属。駅伝が専門のため、マラソンを意識した長距離の走り込みに加え「駅伝は仲間がいるので心強い。でも、マラソンは全てが自己責任」と、精神面でも大きな成長を遂げたことが結果に繋がったと振り返る。
○…一昨年に両足のアキレス腱を痛め、半年を棒に振った。「ちょうど子どもが生まれたこともあって、このまま走るのを止めちゃうのかなとも考えました」。もどかしい気持ちでトレーニングを再開したが、妻の一言で吹っ切れた。「また走らないの?って聞かれたとき、やっぱり中途半端は駄目だって。毎日の練習にも理解を示してくれて、家族の支えには本当に感謝ですね」と頭をかく。
○…陸上との出会いは中学校在学中。当時はサッカー部員だったが、体育の先生から「お前ならきっと箱根駅伝を走れる」と言われ続けたという。これがきっかけで相洋高校に進学後、3千メートル障害で県ベスト8の成績を残すなど活躍した。いつかは箱根駅伝に、という思いを抱き関東学院大学へ進むと、浪人時代に10キロ増えた体重を絞り、過酷なトレーニングに明け暮れた。見慣れた箱根の山道を走ることはできなかったが、2年連続アンカーとして、仲間の繋いだたすきを胸に10区を駆けた。「箱根を走った経験は、自分の中ではぶれない軸のようなもの。それに当時の練習に比べたら、大抵のことは乗り越えられるんじゃないかな」と清清しい笑顔を見せた。
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