小田原を拠点に活動する劇団「チリアクターズ」を主宰する 大島 寛史さん 市内久野在住 25歳

掲載号:2016年4月23日号

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人の心がわかってこそ

 ○…ステージ上でスポットライトを浴び、皆の注目を一身に集める高揚感。中学時代、文化祭のクラス劇で「ヤミツキになる感覚」を味わい、進路も「自転車で通えて演劇部がある学校」を条件に西湘高校を選んだ。その後、桐朋学園芸術短大に進学し、仲間と劇団を結成。「あまり期待しなければ、それなりに楽しめる」との意を込めた名称は、「塵芥(ちりあくた)」と「アクター(俳優)」を掛け合わせて『チリアクターズ』。来週に迫る県内の劇団との合同公演では、演出を担当する。

 ○…「演劇は寝ている時間以外は勉強」。クールで淡々とした口調だが、発する言葉に力がある。「人はどんな時に、どんな表情や行動をするのか。電車が遅れたと怒っているおじさんも、街中で人目をはばからずに喧嘩しているカップルも、すべて表現の助けになる」。自然な演技力を養うための人間観察。いつしか、自分の言動さえも無意識に俯瞰していることに気づいた。「辛いことや、悲しいことがあった時でさえ、『ああ、こんな表情をするんだ』と客観的に見ている自分がいる。我を忘れて夢中になれなくなっているかな」と、その横顔が少し寂しそう。

 ○…サザンオールスターズの大ファン。「昨年初めてコンサートに行った。2回も。生き様がかっこいい」と、珍しく興奮気味。「桑田佳祐さんはお客さんを楽しませながら、自分自身も楽しんでいる。お客さんそっちのけで。でも、そんな姿を見るのがまた楽しい」と魅力を語り、「あんな風になりたいですね」。

 ○…「仕事とはいえ、相手の気持ちを考えているのだろうか」。熊本地震のニュースで、被災者に手当たり次第マイクを向けるレポーターに怒りを覚えた。さまざまな役柄を演じる俳優の仕事で重要だという「イメージ力」が、今の社会には欠如しているのではないか。だからこそ、「人がどう感じるかを常に考える演劇は、きっと実生活でも役立つはず」と考えている。

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