小田原市観光協会の「風魔一党指南役」を務める 甚川 浩志さん 東京都在住 49歳

掲載号:2019年2月23日号

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和の神髄は忍術にあり

 ○…「本当の忍者は地味で汚い。だけど哲学があり日本文化の神髄がつまっている」。忍者体験を求める人たちと山を歩き、忍弓術や和式馬術、時にはサバイバル術を学ぶ「忍者キャンプ」も開く。「野生に戻って忍術を体験すると人間本来の感性や創造性が取り戻せる。現代社会を生き抜く術が山里にはたくさんある」

 ○…大阪府出身で野山を駆け周り一人で瞑想するような子どもだった。中学時代は陸上部に所属し「六甲山に通じる山道は全て走破した」。大学卒業後、入社した会社でビジネス調査やリスクマネジメント支援、新規事業開発などを経験。「企業の調査業務はまるで忍者のようだった」とニヤリ。経験をもとに04年に独立。経営は順調だったが東日本大震災を機に「社会が大きく変わる」と感じ、会社を閉めて東京あきる野市の山里へ。約1年の準備期間を経て13年に野人流忍術『野忍』を設立。独自の忍者プログラムを通じて国内外に「和」の精神を発信中だ。

 ○…3年前、かながわ西観光コンベンションビューローの専任忍者に就任。忍者として地域活性化プロジェクトに協力している。翌年、風魔忍者で誘客を図る市観光協会から声がかかり「風魔一党指南役」を務めることに。戦国時代、関東を治めていた北条氏の陰として働く風魔忍者の姿は「武将に仕える忠義の忍として西国の伊賀や甲賀と差別化できる」。風魔忍者をブランド化し、忍者ショーだけではない、文化や教育的な要素をプラスした小田原独自の仕組みづくりを模索している。「武家魂と連動した忍術で和の心が伝えられれば」

 ○…忍者は趣味で職業。「休みがあったら仕事がしたい」と言うほど頭の中は忍で一杯だ。「和の神髄が学べる場として風魔の里を世界に広めていきたい」。修行の日々は続く。

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