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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2019.08.10

ウガンダ共和国でバイク便会社「Courie(コウリエ)Mate(メイト)」を経営する
伊藤 淳さん
小田原市酒匂出身 37歳

アフリカで未来を夢見る

 ○…可能性を秘めたアフリカの地で、新しい仕事をつくりたい。持続可能な未来への変革に、アフリカでかかわってみたい―。壮大な夢を胸にウガンダでバイク便の会社を起業した。法治国家だが理屈では動かず、首都でも多い時は週に5、6回は停電する環境。経営は苦難の連続だが「社会全体が子どもに優しい」と、スローライフなお国柄を受け入れている。

 ○…学校生活にあまり馴染めなかった少年時代。「自他ともに認める、自分勝手な性格でしたね」と振り返る。暗記は苦手なものの理数系の科目が得意で、乗り物が大好きだった。西湘高校を卒業し上智大学に進学するとレーシングカーづくりに没頭したという。

 ○…外資系コンサル会社に勤める中、転機は27歳の時に突如訪れた。スノーボードで大けがをし、数カ月間休職。入院を余儀なくされたが、仲間や家族に助けられたという。「これまで自分のことしか考えてこなかったけれど、誰かに恩返しをしたい」と、会社が採用するボランティアプログラムに応募。電気も水道もないマサイ族の村で9カ月間活動した。東京のオフィスに戻った後もプロジェクト責任者としてナイロビに駐在するなど、3年間で20カ国の仕事を経験。次第に海外で働きたいという気持ちが高まり、5年半前に退職。単独で日本を飛び出した。

 ○…ウガンダでは従業員に売上金を盗まれたり、警察の理不尽な家宅捜索で営業停止になったりもするが、「怒ったら負け。どうしたらこの人たちが動いてくれるのかを考える」と常に前向きだ。落ち込むのは1日までと決め、「お陰でメンタルを保つスキルは高まりました」と笑う。底知れぬチャレンジ精神の持ち主だからこそ、アフリカくらいのスケールが丁度いいのかもしれない。

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