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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2021.07.10

ユニークな切り口で食品ロスの問題を扱った絵本『しらすどん』を描いた
最勝寺 朋子さん
小田原市蓮正寺在住 32歳



出会いが紡ぐ新たな物語





 ○…謙虚に微笑みながら、「研究、芸術、環境保護、全てが中途半端だけど」と取り組む活動の一つに絵本づくりもある。「世の中が少しでも良くなったらいいのに」をモチベーションに物語を紡ぐ。今夏、デビュー作『しらすどん』(岩崎書店)が店頭に並ぶ。





 ○…幼稚園へ入園する際に小田原に引っ越し。身の回りのことに敏感で、好奇心も旺盛だった。慣れ親しんだ土地で住宅化が進み「友達と見ていた花がどんどん消えていく」様子を目の当たりにして、環境問題への意識を持ったという。2019年の台風で自宅近くの河川に大量のプラスチックごみが流れついた。すぐに、一人でごみ拾いを始めた。自然と周りの人たちを巻き込み「プラごみゼロ チームおだわら」が発足。ごみ拾いイベントなどを通じて、身近な川や海から海洋プラスチック問題を考えてもらう活動を続けている。





 ○…西湘高校卒業後に鳥取大学へ。「好奇心を解放し、自分の学科以外の授業も受講した」といい、首席で卒業。一度は研究職を志すも断念し、小田原に戻って(株)タウンニュース社の中途採用に応募した。この頃から、忙しい仕事の合間をぬって絵を描きためていたという。担当する秦野エリアで取材中に、後の師匠となる生物画家、舘野鴻さんに出会った。細密な絵のタッチやプロの絵本作家としての心構えなどを学び、2年前に会社を辞めて本格的に絵本制作を始めた。デビュー作『しらすどん』は食品ロスの問題を扱った作品。メッセージ性もあるが「どういう受け取り方をしてもいい」と、自分の思いを強く押し付けたりはしない。





 ○…時間をかけて完成させたが「まだまだ満足はしていない」。これからもさまざまなテーマを取り上げていくという。「実はストックがたくさんある。次は童話にも挑戦したいな」

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