中区・西区版 掲載号:2017年9月14日号

野毛山動物園で飼育担当として「ヘサキリクガメ」の繁殖に成功した

大滝 侑介さん

西区在勤 29歳

生き物相手に笑顔も涙も

 ○…絶滅の危機に瀕する「ヘサキリクガメ」。世界的にも繁殖例は少なく情報が限られるなか、卵からかえすことに成功した。昨年12月30日に産まれた3個のうちの1つで、赤ちゃんカメが出てきたのは8月13日。「2、3日前に卵にひびが入りふ化が始まった」とその様子を淡々と語る。

 ○…無事に産まれるよう、温度と湿度を適度に保った特別な箱に卵を移し「あとは見守るしかない」と我慢も仕事のうち。ヘサキリクガメを国内で飼育しているのは野毛山動物園のみで、昨年、国内で初めて繁殖(3頭)に成功。世界初の2年連続となったが、昨年までの担当者は異動して不在、そのなかでの挑戦でもあった。

 ○…これまで園内の動物全般の飼育に関わってきた。生き物相手なので、うれしいこともある一方、「死に向き合い悲しいこともある」と飼育方法の反省はしばしば。そのなかでもクマは思い出深いという。「鍵の扱いは叩き込まれました。檻の施錠をしないと自分の命が危ないですからね」と話す。そのような動物でも日々、触れ合うことでコミュニケーションがとれるようになり、心を通わすことができた。

 ○…東京都の出身。「子どもの頃から動物が好きだった」と高校卒業後に専門学校で学び、2008年に横浜市緑の協会に就職。ズーラシアを経て13年に野毛山へ。現在は初任地に近い旭区で妻と暮らす。休みの日は「仕事のことは考えない」というが、他園を視察するなど仕事熱心だ。ズーラシアで働く妻とは「仕事の話はしません。熱くなって喧嘩になる」と笑った。

 ○…飼育展示係として10年。今回のような繁殖成功や自身が作った遊具で動物が遊ぶ姿を見ることが、やりがいだという。また「頑張れば、展示の内容も自分のアイデアを反映させることもできる」と目を輝かせた。「いずれはキリンやシマウマなどの有蹄類を担当したい」と意気込んだ。

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