神職・巫女ら全員で西消防団に入団した伊勢山皇大神宮の宮司 池田 正宏さん 金沢区在住 66歳
神道の心で自然と歩む
○…「日ごろから私たちがお祈りするのは地域の安全・安心と繁栄です。ならば防災・減災に寄与するのも当然のことかなと」。横浜総鎮守の宮司という堅いイメージとは裏腹に、温和な笑顔で気さくに語る。5年前に神社庁の要請で鎌倉の鶴岡八幡宮から出向し、この4月に正式に伊勢山皇大神宮の宮司に就任した。「横浜の人は本当に気持ちが熱い。皆さんに協力して頂きながら、横浜の総鎮守として祭典や神事を一つひとつしっかりとやっていきたい」と意気込みを語る。
○…山口県生まれ。神主の家系ではないが、小さいころから母親に連れられて広島の厳島神社や大分の宇佐神宮を参拝し、神道や古事記に関心を持つように。高校卒業後、国学院大学の法学部に進んだが、4年次にふとしたきっかけで「神道学専攻科」へ。1年間の実習を経て改めて神職への思いを強くした。法律家とどちらに進むか悩んだが、「罪人相手に一生過ごすより、善人相手のほうが幸せだよ」という母親の一言で神社への奉仕を決めた。
○…卒業後は鶴岡八幡宮で41年間務め、宮司の次にあたる禰宜(ねぎ)まで歴任。「八幡宮では本当にいろいろなことを勉強させて頂いた。その経験を今後に活かしていきたい」と語る。
○…「これからは横浜の人にならないと」と今年5月から金沢区で妻と娘と暮らす。「実はこんなこともやっているんです」と差し出された名刺には「鎌倉ニホンミツバチの会代表」「森林インストラクター」など聞きなれない肩書が。昨今ミツバチの減少が話題となるが、新しい害虫駆除の農薬がミツバチを含む自然の生態系を壊したのが原因と見る。「蜂がいなくなれば果樹の受粉ができなくなるなど、人間も困る。全てはつながっている。私たちはもう一度自然と歩むことの大切さを考え直さなくては」。森羅万象に畏敬の念を持つことで人の生きる道を説く、神道に携わる宮司ならではの言葉だった。
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