みなと映画祭で大回顧展が行われる「私立探偵 濱マイク」の監督 林 海象さん 京都府在住 55歳
探偵に人生重ねる
○…黒のシャツに黒タイ、ゴールドのラメが入ったジャケットの装いは、「私立探偵・濱マイク」の世界観にも通ずるものがある。3月16日から始まる「横浜みなと映画祭」の2日目にはマイクを演じた俳優の永瀬正敏さんとのスペシャルトークも予定する。
○…今は亡き黄金町の映画館「日劇」を舞台としたこの作品は、監督の歯科通いが誕生のきっかけ。当時は都内に住んでいて「大船まで通っていたんだけど、むちゃくちゃ遠くてさ。途中下車して映画見ようと思ったわけ」。それが劇場との出会い。戦後の空気が色濃く残った街に「ここで探偵ものを撮りたい。まさにオープンセットがここに立っていると思ったね」と振り返る。「探偵は常に何かを探している。それは生きることそのもの。ロマンチックでしょ」
○…5年前に活動拠点すべてを京都に移した。「東京に30年住んだけど、夢を追うパワーが落ちたと思う」。京都造形芸術大学の映画学科立ち上げに尽力し初代学科長を務め、今も教授として後進の育成に力を注ぐ。最新作「彌勒MIROKU」は、制作から上映場所の確保まで、学生によるところが大きいという。
○…「最近は儲かるかどうかを一番に考える人が多いけど、映画にとって重要なのは、何を伝えたいのかだ」と語気を強めた。作品の創作性が見る人に浸透すれば、自ずと評価されると持論を展開した。
○…一観客として映画を見るのが好き。「『かぞくのくに』や『桐島、部活やめるってよ』はいい作品だった」と話す。京都では自身が経営する「Bar探偵」は定席。「柴犬が可愛い。飼いたいな〜」と話すも、今は妻と二人暮らし。最新作の情報発信に、ソーシャルメディアをフル活用する。
○…大回顧展について、「20年前の作品を取り上げてくれることは本当にうれしい。スタッフの情熱が僕を横浜に戻してくれた」と、感謝の想いは人一倍だ。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>