身長140センチの小さな体でエアガンを構えるのは、大谷戸小4年の志村佳祐君(10)。水泳とランニング、レーザー射撃を組み合わせた競技「近代三種」の選手で、昨年11月の全国大会で小学生男子の部3位に輝いた。「目標はメダルを取ることだったので達成できてよかった。次は優勝したい」と意気込む。
佳祐君が近代三種に出合ったのは幼稚園児の頃。母・しおりさんに連れられて観戦し、射撃の「格好良さ」に魅了された。「これやりたい」と目を輝かせる佳祐君の意志を尊重し、しおりさんはその足で、まずは近所の水泳教室へ。「近代三種に挑戦させたい。長距離を泳げるようにしてください」と申し込んだ。
ランニングはもともと得意だったが、更なる上達のためスポーツクラブに入会。射撃は夏祭りの射的で練習するなど独学だったが、一昨年、初めて出場した同大会で9位だったことから精度向上の必要性を実感。悔しさをバネに、都内での練習会に週に1回参加し、射撃時の姿勢など的を正確に狙うコツを吸収した。
だが、新型コロナの影響でクラブや射撃の練習会が休止に。自宅周辺のランニングや車庫での射撃練習などで自主練を重ねた。「競う相手がいなくて辛かったけど、リベンジのために頑張った」と佳祐君。諦めない気持ちが、昨年の大会で銅メダルとして結実した。
ゆくゆくは、近代三種にフェンシングと馬術を加えた「近代五種」に挑戦し、プロになるのが夢。「色んなことに挑戦できるのが楽しみ」と笑顔を見せる。他にも、そろばんや野球など週7日すべてが習い事で埋まっており、「友達と遊ぶ時間が減ってしまうのは残念」としつつも「どれも楽しいから辞めたくない」。何事も楽しみながら挑み続ける。