郷土資料館運営協議会委員として講演を行う元ポーラ文化研究所所長 小松 秀雄さん 毛利台在住 65歳
質実剛健な研究者
○…浮世絵を通して日本の結髪文化を知る資料展が6月16日まで郷土資料館で開催中。同館運営協議会委員を昨年から務め、関連事業として5月25日と6月1日に近代女性の髪や落語の中の髪型描写をテーマにした講演会を行う。ポーラ文化研究所在籍中に発行に携わった日本髪の美しさと型の文献『結うこころ』を資料館に紹介したことがきっかけだ。「女性の髪に対する感覚は男性と違うのでなかなか理解しづらいところがありますが、化粧法や髪型から生活スタイルが見えてきて時代を知る手がかりになります」とやや、理詰め。
○…講演では「日常生活で髪との付き合い方を知っていただく場になれば」と話す。古典落語は女性の描写に触れているケースも多いという。また「当時、髪はファッションであり、文化でもあり、コードでもある。たくさんのバリエーションがあり、どう個性を出していくか。女性の属性や身分は髪型ひとつで違ってきます」と丁寧に解説する。
○…広島生まれ。東京大学を卒業後、東北大学修士課程を修了。理系畑を歩んできた。24歳でポーラ研究所に入所し、ポーラ文化研究所には2001年から2008年まで勤務した。セミナーを開催する傍ら、所長として精力的に「女性と社会との橋渡し」をモットーにマネジメント。「平和な産業ではあるが奥が深いもの」としみじみ。「江戸から明治時代にかけて、女性が髪型を創意工夫してきた過程を振り返るとまた違った視点で見ることができます」と話す。
○…女性の美意識には「何でもあり。ゆるさ」という風潮があるそう。2003年、サンフランシスコ国際空港航空博物館での展示と2006年、研究所30周年を記念したイベントで化粧道具、くし、かんざしなどの装飾品の収蔵展を全国各地で開いたことが忘れられない出来事だという。世界を見て培ってきた独自の感性で、当日はどんなエピソードが飛び出すか。
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5月10日