緑消防署は先月25日、小山町自治会(宮田文夫会長)に対して、4月22日に発生した火災で、直ちに消火活動を行い、延焼を防いだとして感謝状を贈った。同自治会会員らは消防隊が到着するまで初期消火箱に入っている消防用ホースを使い放水作業を行った。「初期消火箱を利用しての放水作業はとても珍しい」と緑消防署職員は話している。
「とにかく火を消すことだけを考え夢中でした」。火災現場近くに住み、同自治会会員で緑消防団にも属している落合正明さんは火災当日を振り返る。外出しようと外に出ると、炎に包まれる火災現場が目に飛び込んできた。落合さん以外の周辺住民も火災に気づき、すぐさま、近くに設置されていた初期消火箱から消防用ホースを取り出し消火栓につなぎ、放水を開始した。
落合さんらは、消防隊が到着するまでの数分間、放水作業を行い、到着後は消防隊に消火活動を譲った。「この数分間で何もせず待っているのか、少しでも放水するのかによって状況は全く違っていた」と緑消防署職員。実際に火を見るとパニックになることが多いというが、現場に居合わせた自治会会員らは火災現場周辺の交通整理やサイレンを鳴らすなど、冷静な行動で対処した。
防災訓練で意識向上
緑消防署によると、区民に初期消火箱の存在は知られているものの、実際の使用方法などは、認知されているケースが少ないという。同自治会では、初期消火箱の開け方やホースの使用方法、心肺蘇生法などを自治会員に知ってもらおうと一年に一度、防災訓練を実施している。
「今回、迅速に対応できたのも、日頃の防災意識の高さのたまものだと思います。今後も訓練などを通じて、防災力を高めて頂きたい」と吉村眞一緑消防署長は話した。
宮田会長は「訓練の成果を今回、活かすことができたと思います。自治会員の方々にはこれからも積極的に防災訓練に参加して頂き、初期消火箱の使用方法などをもっと知って頂ければ」と話し、更なる防災意識向上を目指している。
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