新春区長インタビュー 安心・安全なまちづくり進める 災害、待機児童対策を重点に
2012年の年頭にあたり、本紙では、津田祐孝緑区長に新春インタビューを行った。区長は、昨年発生した東日本大震災の対応を振り返るとともに、今年の重要課題などについて思いを語った。(聞き手/本紙・緑区編集室編集長 坂浪健太)
――昨年はどんな一年間だったか教えてください。
「やはり、東日本大震災への対応に追われた一年という印象です。震災当日、区役所職員一丸となって対応にあたったこと、夜になっても停電が復旧せず、区役所も含め、緑区のほとんどの地域で真っ暗になったこと、その後、しばらく続いた計画停電では、区民の方々からの問い合わせが区役所にも多くあったことなどが思い出されます。
――そんな中、区民の方々の対応はいかがでしたか。
「多くの区民の方々が、落ち着いた行動を取られていました。そのことに安堵した気持ちになりました。さらに、その後多くの方々から、被災地への様々なご支援を頂くなど、心温まる思いもしました。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。
また、緑区役所からも18名の職員が被災地に派遣され、被災者救援や復興支援のためのお手伝いをさせて頂きました」
――震災を受け、緑区としての災害対策についてはどのようなお考えかお聞かせください。
「まずは、『帰宅困難者対策』があげられると思います。東日本大震災では、横浜市内で震度5強の震度を記録し、緑区役所でも全職員対応となる災害対策本部を設置しました。幸いにも、緑区内で甚大な被害は発生しませんでしたが、鉄道機関の運行停止により、帰宅困難者が発生しました。防災協定を締結している地区センターの他、緊急的な対応として、地域の方々の避難場所である、地域防災拠点に帰宅困難者が避難しました。帰宅困難者対策については、震災発生前から調整を進めてきましたが、昨年の3月に森村学園と、6月には大林寺と帰宅困難者の受け入れに関する防災協定を締結しました。
また、交通関係機関などと連絡会を開催したほか、昨年11月には長津田駅で対策訓練を実施し、主要駅等混乱防止対策を進めているところです。現在は、帰宅困難者支援マップの策定を進めております。いずれも今年度の事業として、当初から予定しておりましたが、今後も、連絡会の開催や帰宅困難者対策訓練を行い、関係機関との連携を強化していく予定です。
二つ目は『緑区災害対策本部対策の強化』などです。文部科学省では、今後30年以内に、本市で震度6弱以上の発生確率を約67%と想定しており、大規模災害が発生したときに、円滑に応急活動を実施していけるような災害対策本部体制を強化していく必要があります。
今年の6月に緑区災害対策本部運営マニュアル策定検討委員会を設置し、区役所に災害対策本部が設置されたときの各班の活動体制の検討を進めており、体制の充実・強化を図っております。
また、今後は、緑区の震災対策の指針である緑区防災計画『震災対策編』を修正して、行政や地域、防災関係機関が一層連携し、安全・安心なまちづくりを推進してまいります」
「金環日食で大きな盛り上がりを」
――総合庁舎の耐震問題についてはいかがですか。
「東日本大震災では緑区総合庁舎には被害がありませんでした。区役所の耐震補 強については、平成23年度から設計費が計上され、今後工事を進めていく予定でしたが、今回の震災により、早期の実施が急務となってまいりました。そこ で、平成24年度の早い時期に部分的な補強ができるよう検討を進めています。全体の補強については、消防署移転後になりますが、できるだけ前倒しで実施で きるよう働きかけていきます」
――節電対策も引き続き求められますね。
「昨年の夏は、区民の皆様にもご協力頂き、節電目標を達成することができました。緑区は計画停電が6回実施されるなど、区役所業務にも大きな影響が出ましたので、今年も計画停電を回避するために、率先して節電に取り組んでいきたいと思います」
――今年の重要課題について教えてください。
「今年度は区政運営方針の基本目標を『安全・安心、みんなにやさしいまちづくり』とし、目標達成にむけて【1】安全・安心なまちづくり【2】いきいき暮ら せるまちづくり【3】みどりの魅力あふれるまちづくりの3つの柱を立て、区民の皆様の要望に応えるべく、職員一丸となって取り組んでいます。その中でも、 特に力を入れている項目として【1】帰宅困難者対策の推進【2】第2期みどりのわ・ささえ愛プラン区計画・地区別計画の推進【3】保育所待機児童解消対策 の推進を掲げています。
緑区の地域福祉保健計画であるささえ愛プランは、11連合自治会ごとの地区別計画が盛り込まれており、従来の福 祉や保健の取り組み、防犯・防災や生活全般に関わる取り組みなども掲げられています。平成23年4月から計画を推進していますが、地域の皆様によって組織 された『地区別計画推進委員会』を中心に地区それぞれの特色を活かした、地区ならではの様々な取り組みがすでに実施されています。今年も地域の皆様と一緒 に一丸となってこの計画を推進していきたいと思います」
――昨年6月からは保育コンシェルジュも配置されました。
「待機児童解消対策の推進では、平成25年4月までに待機児童の解消を目指し、平成22年度に緑区待機児童対策会議や緑区待機児童対策プロジェクトを立ち 上げ、引き続き区役所が一丸となって検討を進めています。昨年6月からは保育コンシェルジュを配置し、各種保育資源や保育サービスに関する情報を提供して います。
また、平成24年4月に4カ所の認可保育所が新たに開所する予定です」
――今年の関心事では金環日食があげられますね。
「首都圏で実に173年ぶりとなる金環日食が5月21日に観測されます。当日は、午前7時30分ごろに、リングを最も美しい状態で見ることができる『中心 食線』が緑区を通ります。緑区では、この貴重な機会を捉え、来庁される方をはじめ、多くの方に金環日食を知って頂き、市民の皆様と一体となって緑区を盛り 上げていきたいと考えています。主な取り組みとしては、昨年11月から区役所にカウントダウンボードを設置し、ホームページでもカウントダウン表示を行っ ています。ロゴマークも作成し、様々な場面でPRしていくとともに、子どもたちの自然科学への興味と関心を高めるために、プラネタリウムなどの宇宙にまつ わる講演やワークショップを行い、子ども向けの科学講座や記念講演会を開催します」
――最後に区民の皆さんメッセージをお願いします。
「区民の皆様、あけましておめでとうございます。昨年も『安全・安心、みんなにやさしいまちづくり』の推進のために、皆様方の温かいご理解、ご協力を頂 き、誠にありがとうございました。今年も区役所職員一同、区民の皆様の快適な生活をサポートしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいた します」
本紙・坂浪(右)の質問に答える津田区長
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