中山町自治会 無線放送システムを構築 地域・災害情報など発信
中山町自治会(相原磯光会長)は5日、地域や災害時の情報発信に活用する「中山町放送システム」の運用を開始した。自治会単位で独自の無線放送システムを構築する例は市内で初めてとみられる。
同自治会では、一人暮らしの高齢者の見守りや災害時の避難活動の迅速化を目指し同システムの設置を2008年から進めてきた。情報発信はこれまで月1回の回覧板で行ってきたが、多くの住民に同時に情報を伝達できることや、高齢者などが受け取りやすいかたちを追求するなかで無線放送という手段にたどり着いたという。
MCA無線を導入
同自治会ではシステムの構築にあたり、7つの放送塔とシステム管理室を設置した。情報はこの放送塔を経由して地域住民に伝達される。
災害時にも比較的繋がりやすいとされ、地方公共団体や運輸・物流などの陸上移動通信分野で利用されるMCA無線(Multi Channel Access System/複数の周波数を多数の利用者が効率よく使える業務用無線通信方式の一つ)を導入した。災害時はこの回線の活用を情報伝達手段のひとつとしていきたい考えだ。
平常時はイベント情報も
システム構築のための総工費は約3000万円。全て同自治会の積立金で賄った。市によると、自治会独自に無線放送システムを構築した例は、市が把握する範囲では市内初。同自治会では、「平常時は夕刻定時放送や地域のイベント情報、犯罪発生情報などの伝達に活用したい」と話す。
相原会長は「無線放送システムの導入にあたっては、昔から農村などで活用されてきた有線放送などを参考にさせていただいた。高齢者の単身世帯なども増えつつある今、手軽に情報を入手できる手段はなにかを模索してきた。今月6日の朝に放送した消火訓練のお知らせには、これまでと比べ150人以上多くの参加者が集まった。無線放送の効果を実感している」と話している。
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