長津田在住の保井俊一郎さん(41)が8月9日から13日、アメリカで開催された「IWF 2015 マスターズワールドカップ」のウエイトリフティング選手権大会に出場。男子40歳から44歳・85kg級のカテゴリーで、世界大会では自身初となる銅メダルを獲得した。
保井さんが出場したのは、85kg以下・40歳から44歳の「Men/40ー44/85kg」カテゴリー。同カテゴリーは8人で争われ、保井さんはスナッチで94kg、クリーン&ジャークで112kg、計206kgを記録し第3位に。世界大会で初となる銅メダルを獲得した。
保井さんは「上位2人には勝つのが難しいと予想した中で、うまく作戦を立てることができた」と振り返り、「とても嬉しい。ベストを尽くしてそこに食い込めたのは良かった」と笑顔を見せる。
「技術力」がカギに
古代オリンピックから正式種目に採用されており、日本では「重量挙げ」とも呼ばれるウエイトリフティング。競技は、バーベルを床から頭上まで一気に持ち上げる「スナッチ」と、床から肩の位置まで引き上げた後、さらに頭上へと持ち上げる「クリーン&ジャーク」の2種目の最大成功重量の合計値で順位を競う。パワーはもちろん、スピードとバランス、柔軟性が必要とされる競技だ。
競技環境には厳しさも
父がウエイトリフティングの選手だったため、小学校入学前から鉄アレイなどを使い「トレーニングをやらされていた」と話す保井さん。高校生の時に本格的に競技を始めて以来、国民体育大会や全日本選手権など、さまざまな大会で優秀な成績を収めてきた。
保井さんは、競技の魅力を全選手が同じ条件で行うことをあげるとともに、「この競技にラッキーはない。自分の力がそのまま出る。やったらやった分だけ、努力がそのまま結果につながる」ことだと語る。
一方、競技人口が少なく、練習場所が県内に一カ所しかないなど環境面は非常に厳しい。保井さんも普段は全く練習ができず、「試合=練習」となっており、「そもそも競技をやるのが大変だと思う」と語る。さらに、世界大会参加の手続き、費用なども選手が自ら行い、負担しているのだという。
競技の普及に尽力
そうした厳しい環境にも関わらず競技を続ける理由を「ウエイトリフティング人口の拡大をしようと思っている」からだと保井さん。現在は、競技普及のため異動のない非常勤講師として勤務しながら、高校生や大学生など後進の指導を行っている。保井さんは「今は指導者もほとんどいない。(競技人口を)ゼロにしないために、誰かがやらなければいけない。であれば、自分がやらないわけにはいかない」と胸の内を語った。
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