一人暮らしの食の栄養管理を支援しようという活動が区内の市民団体「キッチン みどり」により始まった。緑区では坂の多い箇所や団地の上層階に住む高齢者を中心に、「食料の調達」が困難で偏食になる人が多いという。
「キッチン みどり」代表の大久保絹枝さんは栄養士兼調理スタッフとして高齢者向け住宅で勤務する中で「一人暮らしの人は自然と質素な食事になり、栄養が偏ってしまう」と感じていた。また、緑区は山坂が多い箇所やエレベータの無い団地の上層階に住む高齢者も多く、「米など大荷物の買い物が困難になり、インスタントや宅食サービスに頼ってしまう」「長年調理を頼っていた妻に先立たれ、材料があっても料理の仕方がわからない」という声も耳にしていたという。
そうした声を受け大久保さんは、生活するうえで欠かすことができない食事を楽しむ習慣をつけながら、栄養バランスの取れた食事を学べる場を作りたいと思案。昨年、緑区主催で行われた地域活動の担い手を育成する講座「みどりひと・まちスクール」で集まった仲間ら3人と共にキッチンみどりを発足させた。
同団体は平成28年度緑区地域課題チャレンジ提案事業に採択されており、2カ月に一度、鴨居地域ケアプラザで昼食を作りながら情報交換できる場を創出していく予定だ。6月5日には第1回目のイベントを実施。
当日は、チラシなどを見て応募した11人の参加者が簡単に調理ができ、栄養を摂取できる料理を楽しみながら学んだほか、日々の生活の悩みや役立つ知識、栄養へのアドバイスなどの意見を交換した。大久保さんは「初回は成功を収めたが会としては若い単身者にも参加してもらいたい」と胸の内を明かす。今後は、食を通して地域間の交流を深め、一人暮らしの人同士がイベントのない日でも交流してもらうことで孤立化の解消などを図っていく。
偏食に警鐘
国勢調査では、区内世帯数の増加に伴い単身世帯が増えており、今年の調査でも同様の傾向が予想されるという。近年、そうした単身世帯はインスタント料理に頼る傾向があり、区職員は「偏食により栄養バランスを崩す人も多数いる。栄養のことを気にかけてほしい」と警鐘を鳴らしている。
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