長津田辻自治会が70周年を迎え、会員らがこのほど、地域の家々に眠る写真を集めた記念誌を発行した。戦後、占領下町内会禁止期間を経て再出発し、区内でも最も古い歴史を誇る自治会の記念誌は、郷土資料としても貴重な人々の足跡を現代に伝える。
緑区の最西端に位置し、約90世帯からなる「長津田辻自治会」(岡部豊会長)。100世帯未満の比較的小さな組織ながら、古い伝統行事や風習が今でも残る数少ない地域として脈々と歴史を紡いできた。
70周年を機に、この地で暮らしてきた人々の足跡をまとめ、次世代に残したいと岡部会長を中心に編集委員が発足。約2年半を経て記念写真集『高尾原に暮らす』が完成した。
約160枚を掲載
A4版全64ページに収められた写真は約160枚。まだカメラが珍しかった時代に各家庭で撮りためられてきた写真を集め掲載した。本を開くと、今では見ることがなくなった木桶の洗濯風景やちゃんばら、祭祀や自然の移り変わりを捉えた写真が並ぶ。中には第二次大戦中、空襲警報などの電波を送受信していた「長津田無線中継所」の姿をおさめた歴史資料として貴重な写真も複数掲載されているが、編集委員らは「歴史を記録するだけでは意味がない。私たちはこの写真集を若い世代に見てもらい、歴史や人々の温かい暮らしを感じることで地域に愛着を感じてもらいたい」と話す。
親から子へと語り継がれる郷土の歴史も、近年は生活スタイルの変化から難しくなっているといい、「口承では伝えきれない事を写真で残しておければ」との思いがあったという。
初版は300部。自治会員をはじめ、他地域からでも希望があれば1部2千円で配布する。希望者は岡部会長(【電話】045・921・9780)に申し込み。
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