鴨居の市民団体「鴨居駅周辺まちづくり研究会」が、中高年や退職組の地域活動参加を促進しようと地域デビュー講座の企画に力を入れている。人手不足や高齢化が叫ばれる地域活動に新たな担い手を発掘しようという取り組みを取材した。
鴨居まち研が「地域デビュー講座」に着手したのは約4年前。約70人いる会員は高齢化が進み、運営を担う役員の平均年齢は80歳代に突入。「このままでは次世代にこの活動を繋いでいけない」と危機感を募らせてのことだったという。
そこで同団体は、2014年から3年間に渡り、歴史散策をきっかけに、地域との繋がりを育む講座「おもしろ定年塾」を開催。定年退職後の歴史ファンなどを対象に、歩いて街の魅力を発見するツアーを企画し、のべ75人が参加した。講座には同団体のメンバーが付き添い、歴史散策の最中などに地域の魅力や地域活動のやりがいについて参加者に積極的に声掛けを行った。その結果、参加者の約4割にあたる32人が講座修了後に同団体へと加入を果たしたという。
これにより、同団体は約2年前、役員などの「代替わり」を行い、会の若返りを図った。
企画の発案者・狩野陽二さん(現顧問)は「これだけ多くの人が新たに加入してくれたということは、地域との繋がりを求める潜在ニーズがあるということ。同時に、我々にももっと努力できることがあるのだと感じた」と当時を振り返る。
「顔が見える事が重要」
今年はさらに企画を進化させ、自会だけでなく、鴨居地域の他の市民団体が自らPRをする時間を講座に盛り込んだ。定年塾をきっかけに加入した都築利正さんや、代替わりで代表となった藤村勝典さんがアイデアを出し合い、参加者がより多くの選択肢とマッチングできるようにした。「次代塾」と名付けられた同講座は、今後2年間、毎春に開催していく予定だ。
藤村代表は「鴨居にはほかにも多くの団体が活動している。各団体との相性を見極めながら、これならやってみたいという所を探す機会になれば」と話す。都築さんは「特に退職後の男性が地域に足を踏み入れるのには勇気がいるし、情報がない。どんな団体がどんな活動をしているかが見える事、そして参加したいと思った時にいつでも間口を開いていてくれる事が重要」と自身の経験を振り返る。同団体では講座修了後も参加者に向け、各団体が主催するイベント情報を発信し、一人でも多くの人の地域デビューを後押ししたいとしている。
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