緑区内に残る貴重な資源を区民共有の財産として将来に残していくことを目的に区が認定する「緑区遺産」に、高尾山(長津田町)の山頂に現存する「一等三角点『長津田村』」が登録された。地元長津田辻自治会の岡部豊会長は「貴重な遺産を後世に伝えることができてうれしい」と話した。
緑区遺産は、区内に現存する有形の歴史的・自然的・文化的資源で、その価値が地域に認められているものを区が認定・登録する制度。「一等三角点『長津田村』」は22番目の登録となった。
明治時代中期、日本の地図づくりは国土地理院の前身である陸地測量部の事業として統一されるが、それ以前はさまざまな省庁で地図の測量に関する事業が行われていたとされている。
その後、統一された規格と高い精度で国土を把握することを目的とし、全国に設置された一等三角点。三角点の記録簿である「点の記」によると、今から140年前の明治16年5月に「長津田村」に組まれた覘標(てんぴょう)(観測目標として三角点の上部に組むやぐら)から、ほかの三角点を観測。一等三角点で作った三角形の三角測量を重ねていくことで地図の骨組みとなる一等三角網が作られてきたという。この三角測量は統一された規格と高い精度の地図を日本にもたらしたが、三角点間の距離を直接測ることのできるレーザー測距儀が開発されたことで三辺測量に移行。1980年前後には行われなくなった。また、観測用のやぐらも観測機械の進歩によって組まれることはなくなったが、「長津田村」では1990年(平成2年)に組まれたものが最後となっている。
長津田辻自治会の岡部豊会長は「緯度経度の入った5万分の1地形図の原点とも言える一等三角点が、設置からちょうど140年の年に緑区遺産に登録され、案内板が設置でき、地域の貴重な歴史資産を後世に伝えることができてうれしく思う」と登録を喜んだ。
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