東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方。被災地支援の一環として横浜市教育委員会はこのほど、新任教諭を中心とした約1000人が参加する”石巻子ども学習支援隊”を編成。特に被害の大きかった宮城県石巻市へ派遣することを決めた。
横浜市教育委員会は震災後の5月上旬、宮城県庁や石巻市を訪問。現地の教育委員会を訪れ状況を確認し、援助の一環として今回の学習支援事業に取り組むこととなった。
派遣される教諭は、日程の調整が容易なこともあり、今年度の新任教諭約700人が中心。そこに経験のある一般の教諭や校長なども加わり、約1000人が”石巻子ども学習支援隊”として現地へ赴く。派遣の期間は8月1日(月)から12日(金)まで。これは震災の影響による授業の遅れのため、例年より短くなった現地の夏休み期間に合わせたもの。教諭一人あたり3日間の日程で参加し、石巻市内17会場(1日あたり7から9会場)で”出前授業”を行う予定だ。
独自の学習ドリルも持参
授業では児童・生徒が持参した学習課題や教材に応えるほか、横浜市内で実際に使われている国語と算数の「学習ドリル」を再編集したものも使用する。再編集にあたり、特に国語では漢字の書き取りなどの問題の中で「海」や「港」など、震災を連想させるような語彙を外すなどの配慮がなされている。また、派遣される教諭らにも、臨床心理士から被災地の児童・生徒と接する際の留意点などの説明が行われるなど、細心の注意が払われる。
「新任教諭が中心ということで心配の声もありましたが、個人の活動ではなくチームの活動ですので心配はないです。子どもたちの学習支援はもちろん、現地の先生方が少しでも休めるようになれば」と横浜市教育委員会では話している。
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