地元の農業を不法投棄から守ろうと結成した「不法投棄やめさせ隊」の隊長を務める 栗原 進さん 池辺町在住 77歳
地元を愛し 畑を守る
○…池辺農業専用地区で多い不法投棄。夜間、畑の脇に家電や車が放置され、農家を困らせてきた。「自分たちの土地は自分たちで守ろう」と、地元の農業組合員156人が結束。そのリーダーとなって3年目。定期的な夜間パトロールなど、仲間の先頭に立って活動してきた。「皆の気持ちは”農地を大切にしたい”それだけ。一致団結して不法投棄に立ち向かいたい」と表情をひきしめる。
○…畑は、食卓に届ける野菜をつくる場所。毎日丹精込めて育てている野菜の近くにゴミを捨てられている光景を見て憤りを感じていた。それが、同隊をつくるきっかけだ。「不法投棄は許せない」と、農業の合間を縫い、一斉清掃などの活動を続けてきた。その甲斐もあり、2年前にはトラック5、6台あったゴミも、最近では1台ですむほどに。「減ってはきたが、ゼロにするのが目標」と先を見据る。
○…都筑で生まれ、この土地で育った。少年の頃は戦時中だったが、造成前の野山を駆け巡り、やんちゃに成長。毎日、畑で汗を流す両親の背中を見て、同じ農業の道へ。それから約60年。今では、仲間内でも”ベテラン”と言われるように。そして息子も、自分と同じく農家に。今では親子で育てた野菜の直売も行っている。地元でとれた新鮮な野菜は、ニュータウンエリアの住民からも「美味しい」と評判。「新しく住み始めた人にも親しんでもらいたい。人の集まる美しい農地には、ゴミを捨てられないでしょう」と期待を込める。
○…地元の行事でも大活躍。20歳頃から「池辺囃子連中」に参加し、毎年6月には、同農地内の富士塚古墳で行われるお祭りに登場。農業で日に焼けた肌に、はっぴ姿が良く似合う。農業だけでなく、太鼓の腕もベテランだ。弾む太鼓に皆の笑顔が沸く。地元を愛する気持ちは人一倍。だからこそ、隊員の信頼も厚い。頼れるリーダーが率いる隊の努力で、不法投棄がゼロになる日も近いだろう。
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