3月10に都筑警察署長に就任した 上田 祐基さん 横浜市在住 58歳
機動隊魂で40年
○…「都筑は、豊かな緑と近代的な都市が調和した素晴らしい街ですね」と、街の第一印象を話す。この春から、227人の署員の先頭に立つ。所信表明では、「積極的に街に出て、地域の方々の声を汲み取って施策に反映させたい」とあいさつ。精悍な中の気さくな笑顔が印象的だ。
○…18歳で警察官になって40年間、一貫して機動隊を志願してきた。きっかけは、警察学校に入ったばかりの1971年に起こった事件。成田空港開港の反対派と機動隊が衝突し、警官3人が殉職。大きな衝撃を受けると同時に、「暴徒は許せない」という気持ちが、強く心に刻まれた。その後は、強い志のもと、機動隊で活躍。中隊長となってからは、阪神淡路大震災の救助活動も経験。震災発生から2日目に現地入りし、救出や交通対策に当たった。「脱力状態で建物に取り残された人も、救助の時はほっとした顔をしてね」と振り返る。「人の役に立ちたい」という気持ちを常に持ち続けてきた。
○…生まれは山梨県。農村が広がる自然の中でのびのび育った。中学時代は、野球部に所属しながらも、朝は牛乳配達のアルバイトで家計を助けた。重い荷物を自転車で運ぶ仕事のお楽しみ、フルーツミックス牛乳の味は今でも忘れない。高校時代は、応援団に所属。河原で大声を出して練習する毎日。2年の時には、応援団長に。「背が高かったからですよ」と冗談めかすが、181cmの長身は確かに頼もしい。爽やかな青春時代を送り、卒業を前に進路として選んだのが警察官。尊敬する父の勧めだった。
○…都筑署着任後は毎日朝夕、街中をジョギング。「区内すべての公園をまわりたい」。走りながらも、区内の様子を実際に肌で感じ見守っている。今後の意気込みは、「区内でも深刻な振り込め詐欺や交通事故の対策に力を入れて行きたい」と表情を引き締める。新署長の下で、より安心な街づくりが期待される。
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