10月29日に区役所で講演を行う絵地図師で散歩屋 高橋 美江さん 東京都在住 58歳
街を歩くたび疑問と発見
○…「初めて街を歩く人が使える地図でなくては意味がない」そんな強い思いで描いている。作品の絵地図からは街の雰囲気までも詳細に伝わる。イラスト、スポット紹介もふんだん。これが話題となり自治体や商店街から依頼が殺到。これまで200カ所以上を描いた。同時に街を歩く”プロの散歩屋”としても定評が。「街が持つ生活感や暮らし、そんな”顔”や”らしさ”も伝えたい」。講演会では、どんな楽しみ方を伝えてくれるか、期待がかかる。
○…「絵地図って縮尺がいい加減だって思われがちだけど、実は大変」と苦笑い。最初に行うのは正式な土地利用現況図や国土地理院の地図などの資料集め。正確な情報を踏まえた上で、興味深い場所は強調するなど読み手の心理を考える。だからこそ徹底した街歩きが重要。「日常にも面白いこと、不思議な風景がゴロゴロ転がっている」独自の視点で街を捉え、作品に仕上げる。
○…小さい頃から絵を描くのが好き。でも、みんなと同じは嫌だった。「周りの子がお日様と家を可愛らしく描く中、私は富士山と島。渋いでしょ」と笑う。そんな独特な感性から大学ではデザインを専攻。卒業後は、映画会社のデザイナー部門に就職。結婚をきっかけに退職し、2人の子供に恵まれた。子育てや主婦業に追われる中、ふと物足りなさを感じた。そこで挑戦したのがジグソーパズル。2、3日徹夜して完成させた。「その時、足りないのは『緊張感』と『達成感』だと実感した。仕事がしたい!」。できる事からはじめようと、挿絵などイラスト描きから社会人として再出発した。
○…東京生まれ、生粋の江戸っ子。生き方は”自然体”。周りにはいつも人が集まる。今の夢は、パリやニューヨークの絵地図を水墨画風に描くこと。そんなモノ作りのアイデアは、疑問を常に持ち、発見を繰り返す”街歩き”が原点。「人を喜ばせたい」そんな思いを胸に、これからも多数の作品を生み出していくだろう。
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