都筑区郷土芸能保存連合会会長を務める 城所(きどころ)照雄さん 川和町在住 72歳
祝いの席で喜び届け
○…2015年が幕を開け、新年会などで披露されるお囃子。太鼓や笛の音に合わせて踊る獅子舞の姿を祝いの席で見かけた人も多いだろう。区内には11の囃子連があり、その連合会会長として約150人の会員を束ねる。繁忙期となる1月は都筑区の賀詞交換会などでも獅子舞が披露され、現在も区内を奔走中だ。「正月といえばやっぱり獅子舞にお囃子。街中に伝統芸能の良さを伝え続けていきたい」と意気込む。
〇…繁忙期以外で出演し続けているのが、11月の都筑区民まつり。センター北・南駅前にステージを設け、会場に花を添える。「要請があれば、いろんな場所で披露したい」と意欲は衰えない。獅子舞は人の頭を噛み、とりついた邪気を払うのがご利益と言われているが、「『噛んでもらいたい』と子どもから大人まで行列を作って待っている姿を見ると、やる気が出ます。子どもは怖いみたいで、泣かせちゃうことも多いけどね」と、大好きな祭事の盛り上げに一役買えることにやりがいを感じている。
〇…生まれも育ちも川和町。祖父が囃子連の親方を務めており、幼少期から街中を駆け回る祖父の背中を見てきた。農家や造園業を営む中、30歳半ばで地元の囃子連に所属。太鼓一筋40年のベテランだ。会長に就任して3年目で、現在抱えている課題は会員の減少。「都筑には子どもたちが活躍する囃子連もあるし、これからは若い世代が興味を持ってもらえるような活動をしたい」。古き良き日本の伝統を残し、後世に伝えていくのも役割の一つだ。
〇…興味があることにはなんでも挑戦する性格で、釣りや春蘭の栽培など、多趣味な一面も。孫にも囃子の魅力を伝えようと指導したこともあったが、今は離れてしまっているようだ。「若い頃の私のように、おじいちゃんの背中を見て興味を持ってくれたらうれしい」と照れ笑い。お囃子の楽しさを広める伝道師の道はまだまだ続く。
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