都筑警察署長に就任した 吉留 育宏さん 区内在住 59歳
信じた道に人生捧げる
○…先月の就任から約一カ月半。地元住民との交流を通じて区内の様子が見えてきた。「子どもや子育て世代だけではなく、製造業者や農家戸数も多いバランスのとれた地域」と印象を口にする。穏やかな街並みを眺めつつ、「振り込め詐欺や窃盗はいつ連続発生しても不思議ではない。震災をはじめとする自然災害対策の見直しや、行政との連携にも力を入れたい」と抱負を語る。
〇…横須賀署を皮切りに、県内最大規模の大和署など様々な部署で勤務。6年前は、報道機関への情報公開などを主とする広報県民課の報道担当課長代理を務めた。新聞や週刊誌などあらゆるメディアの報道内容をチェックし、「どうしてこんな書き方をするのか」と疑問に思ったこともあったが、記者と意見交換を重ねるうち、取材の意図が次第にわかってきた。「それまで警察としての立場しか考えてなかった。多角的に捉える視野が広がった」。警察という組織をフラットな目で見る力は、地域と接する署長職でも生かされている。
〇…生まれは兵庫県神戸市。自宅周辺をよく探検していた幼少期は近所の人から”風来坊”と呼ばれていたそう。大学卒業後、「何かに打ち込みたい」と警察官になることを決意した。「神奈川に来たのもそうだけど、警官になろうと思ったのは直感だった」。同じ事件は二つとしてなく、幅広い分野の捜査に没頭できるところが性に合い、気づけば30年以上。この年月が若かりし頃の直感が正しかったことを示している。
〇…かつて全国トップクラスの少年野球チームで活躍した頃から大の野球ファンだ。「高校野球は甲子園よりも地方大会が好き」と表情を緩める。休みの日も毎朝欠かさず署を訪れては部下を励まし、合間を見つけてフィットネスクラブに通う日々。「現職である以上、24時間戦える気持ちと体にしないとね」。人々の安全と安心を守るために人生を捧げる。
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