勝田町のBUDDY柔道場師範になった 北田 典子さん 東京都在住 51歳
「仕事も趣味も一日中、柔道」
○…今月上旬に行われた道場開きの師範挨拶で、集まったちびっ子柔道家や保護者に伝えた「柔道の目的」が印象的だ。講道館の創始者、嘉納治五郎師範の言葉を引用し「柔道の修行を通して、世の中の役に立つ人間になってほしい」と凛とした立ち姿で語った。式典後には道場生一人ひとりの昇級審査を担当。「この道場を素晴らしい場所にしていきたい」と新たな決意を口にした。
〇…東京都出身。父は柔道家、母方の祖父は後にメダリストを輩出することになる柔道私塾、講道学舎の創設者である横地治男氏。「柔道は選択肢になかった。当時は女子がする時代ではなかった」と水泳やピアノ、そして小学6年生まではバレエを習っていた。バレエの発表会のビデオを見ていると母親から「手足が長くて、顔が小さい子がやるのよ」とからかわれていたと笑みを見せる。
〇…中学1年の1月から講道学舎の門を叩く。5時40分からの朝練、そして掃除。しかも練習相手は全国から集められた選りすぐりのエリート男子学生たち。「今思えばきつかったけど、当時はそれが当たり前だった」。メキメキと上達し、高校1年時に全日本の合宿に参加。女子柔道の強化指定選手に。2年時には全日本体重別選手権で3位になり、その後女子柔道界の創成期を支えた。
〇…1988年ソウル五輪の公開競技として行われた女子柔道61kg級で銅メダルを獲得。しかし、「こんなメダルいらない」とたんすの奥へしまった。11年後の出産時、看護師が生まれた子に言った「お母さんがメダリストなんて、いいわね」という言葉を聞いて「銅メダルが人に誇れるものなんだと気づかされた」とほほ笑む。趣味はとの問いに「まったくない」と即答。「仕事は柔道、趣味も柔道、一日中、柔道です」
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