9月23日開幕の「空の芸術祭」に参加するブータンのアーティスト ジャンペル・チェーダさん 若葉台に滞在 38歳
日々を創るスペシャリスト
○…九州とほぼ同じ面積に約70万の人々が暮らすブータン王国。日本から飛行機で約10時間の国から、若葉台で開催される「空の芸術祭」のため来日した。「高いビルの中に、自然豊かなところが故郷に似ている」。初めて足を踏み入れた日本の印象を話す。まもなく開幕する芸術祭を前に、「想像していたよりプロジェクトは大きな規模になりそう。みんなで一緒にできることにわくわくしている」と意気込む。
○…生まれ育ったのは、ブータンの東にある小さな村。幼いころ、靴やサンダルは特別なものでなかなか手に入らず、いつも裸足で駆け回っていたという。好きだったのはヘリコプターを追いかけること。ヘリの近づく音が聞こえると村中の子どもたちが外に飛び出し、着陸する場所まで走ってついていった。「とっても珍しかったから、みんなで大興奮したんだ」。ゲーム機などはもちろんなく、おもちゃは全て自分の手作り。じゃがいもを削って、車やビルを作った。「今はたくさんのものがあり、そこから自分の好きなものが選択できる。でも僕は違った。自分でどうにかしないと遊ぶ道具がなかったから、想像力を養えたのかな」
○…芸術祭では手作りした旗に住民から願いを書いてもらい、若葉台の中央商店街に飾りつける。1000枚を制作予定だが、「あまりきつい作業はしたくないな」と笑う。これまでにタイやラオス、バングラディシュなどで個展を開催した。「彫刻でも絵画でも、何でも挑戦していきたい。自分が習得したものを掛け合わせたとき、また新しい何かが生まれる瞬間がたまらなく好きなんだ」と話す。
○…日本の文字に興味があり、ブータンにいたときは字幕映画を一回一回止めては文字を読んでいた。今は街中にある看板を見るのが楽しくて仕方ないという。日々出会う人やもの、全てに刺激を受けている。「計画は立てない主義。毎日を楽しんで、勉強していく」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|