9月1日に公演する舞台芸術サークル「潮の音」代表 滝澤右弥子(ゆみこ)さん 六浦東在住 64歳
つながり楽しむ「地域人」
○…太鼓・ギター・民謡―。さまざまなジャンルのアーティストが集う芸術サークル「潮の音」の代表を務める。地元金沢の民話を題材に、たくさんの仲間とステージを創りあげる。休止となった民話演劇サークルを引き継ぐ形で、手づくりで初舞台を踏んだのは3年前。今年も、小中学生を含めた30人以上のメンバーと、稽古に励む。「楽しいから続けられているんです。メンバーに感謝しなきゃ」と、照れくさそうに微笑む。
○…自らも、筝曲・三弦の師範として活躍する「アーティスト」。小学生のころ、ラジオから流れてくる琴の美しい音色に魅せられたのが、琴との出会いだった。本格的に習い始めたのは20歳のとき。「それはもう、のめりこみました。本当に琴が大好きでしたから」。3年という異例の速さで指導者の資格を得ると、衛生検査技師の仕事を退職。琴一本で行くと心に決め、近所の人を相手に教え始めた。琴を愛する気持ちが、そうさせた。
○…芸術だけではない。子供のためにと始めた地域のボランティアも、いつしか自らが活動の中心になった。まちぐるみで子どもを育む「地域子育て会」、若者の地域参加を進める「ヤングボランティア」―。自分のアイデアで、活動の輪がどんどん広がった。あまりの多忙さに、何度も辞めようと考えたが、そのたびに引き止められた。「一度やりはじめたら、やらなきゃいけないような気がして。今は、辞めなくて良かったなって思っています」。
○…そんな活動的な毎日を送っていることを、学生時代の友人には「意外」と言われる。「当時はおとなしかったですからね。影が薄い子だったのかも」と笑う。多くのつながりを生み、自分を変えてくれた地域での活動。そのすばらしさを、肌で感じている。「人は宝。もっともっとたくさんの人とつながりたいですね」。今年のステージは、彼女にどんなつながりをもたらすのだろうか。
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