12月2日の三浦三崎マグロ争奪将棋大会 A級部門で優勝した 種橋航(こう)さん 能見台東在住 21歳
将棋をつながるツールに
○…マグロを懸けて争われた三浦・三崎の将棋大会。2回目の挑戦で初優勝した。「大会で優勝したこと自体初めてなので嬉しい。くじ運も良かったのかも」とはにかむ。決勝の相手は、「手の内を知り尽くした相手」という東大将棋部の同期。中盤で劣勢に立たされるも、相手のミスに乗じて形勢を逆転し、勝ち切った。賞品はマグロ30kg。「家に帰ったら、家族には優勝よりもまずマグロの量に驚かれました」と笑う。
○…育ったのは横須賀。子どものころは、横浜市内に住む祖父のところへよく遊びに行った。「おじいちゃんはかわいがってくれました。多趣味で、いろんな本も読ませてもらった」。その祖父が教えてくれたのが、将棋だった。「昔からパズルゲームが好きで、自然と将棋も好きになりました」。中学の部活動で迷わず選んだのも囲碁将棋部。「なんとなく入っていた。でも、囲碁をやろうとは思わなかったので、やっぱり将棋が好きだったんでしょうね」と振り返る。
○…「勉強はわりと得意なほう」という東大生。所属する工学部で学んでいるのは、新しいエネルギーの技術だ。「エネルギーがあれば、他のいろいろなことができる。将来は研究者になれれば」と夢を語る。部活動のほか、スキー・スノーボードのサークルにも所属。アルバイトにも励み、充実したキャンパスライフを送るが、「弱点」もある。「じつは、遅刻が多くて…」。そう言って恥ずかしそうに目を伏せた。
○…「将棋は1人ではできない。2人でつくるところが好きです」。将棋盤を挟めば、老若男女関係なく、さまざまな人とつながれる。「いまはネット将棋もあって、気軽に将棋ができる。いろんな人にやってもらいたいですね」と話す若き棋士。その、古くて新しいコミュニケーションツールに、可能性を感じている。直近の目標は、年末の学生王座戦。団体優勝をめざし、一局一局に魂をこめる。
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