26日の区役所のランチタイムコンサートで指笛を演奏する 杉田 隆則さん 金沢町在住 71歳
挫折繰り返し指笛に開眼
○…金沢町の自宅から30分かけて横浜へリポート(福浦)脇の海辺まで歩く。そこで午前90分、午後90分、海に向かって指笛を練習することを自分に課してきた。名付けて「36(サンロク)プロジェクト」。台風や風邪の日を除き毎日のように続け、今月で目標の36ヵ月目を迎える。「毎日やることで、音が変わった」と自らも驚く成果があった。音域が広がり、ロングトーンも軽くこなせるようになった今、「色んなことが分かってきた」という。「今度は76プロジェクトにするつもり。健康である限り続けたい」と意欲を燃やす。
○…指笛との出会いは15歳。母親から指笛音楽の創始者・故田村大三氏の話を聞き興味を持った。たまたま近所に住んでいたことから、自宅を訪問。そこで田村氏は、目の前で指笛を吹いてくれた。「音を聞いただけで鳥肌がたった。もう、本当にびっくりして」と当時の衝撃を語る。人差し指と口だけしか使っていないのに、音を自由に操り曲を演奏する。それは、まぎれもない音楽だった。
○…だが「指笛はこれまで何回も捨ててきた。いくらやってもうまくならなかったから」と振り返る。20代前半で参加したハワイアンバンド「三島敏夫とそのグループ」では指笛とサイドギターを担当していたが、サラリーマンに転身してからは、すっかり指笛から遠ざかっていた。「でも定年を迎えたら、することがなくて…」。今度こそという思いで、再挑戦。30年のブランクを破り、再び指笛の道を歩きだした。
○…「珍しがられている間に終わったらだめ。音楽性が見える演奏をしないと指笛ファンが広がらない」と指笛の普及にも力をいれる。今月26日には区役所のランチタイムコンサートに出演。「地域でも機会があればどんどん演奏していきたい。田村先生は85まで演奏していたから、自分はまだまだ」。人差し指の”指笛タコ”はまだ当分、消えそうにない。
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