ラグビー女子セブンズ日本代表。中国セブンス決勝戦で決勝トライを決めた 小出 深冬さん 富岡西在住 18歳
ブレない目標は「五輪」
○…10月19日、アジアセブンズシリーズの最終ラウンド「中国セブンズ」決勝でサヨナラのトライを決めた。「もう、すごく嬉しかった」とあどけない笑顔を見せる。相手はアジア大会決勝で敗れた宿敵・中国。「今シーズンは負けっぱなし。ここで勝たないと」という強い気持ちで臨んだ一戦だった。序盤は中国にリードを許したものの、焦りはなかった。「チャンスはまだある」――今季、のべ10カ国を遠征しプレーした経験が生んだ確かな自信。スクラムから出たボールを拾うと、迷うことなく60m近くを走り切った。
○…小さい頃から常にスポーツのある生活。女子が練習をしているのを見て「私にもできるかな」と小学2年でラグビーを始めた。中学校ではスピードに磨きをかけるため、陸上部に入部。タイムが縮まっていくことに快感を覚えた。当時はラグビーの練習がつらいこともあり、一時は辞めたいと思ったことも。だが、五輪種目になったことで、そんな迷いはふっとんだ。中学2年にして、「五輪をターゲットにする」と決めた。
○…学芸大学(東京都小金井市)に通う女子大生だが、生活はラグビー中心。大学では男子に交じって練習し、力をつけてきた。赤羽で行われる代表の練習もあり、オフは数えるほど。通学時間短縮のため、一人暮らしを望んだ時期もあったが、母親の「練習に疲れて一人でコンディションが作れるの」という言葉に考え直した。家族の支えが、頑張る原動力になる。
○…165cm54kgとラグビー選手としては華奢な体。キレのある動きとステップが持ち味だ。体重を増やそうと3食の合間に捕食をとる努力も欠かさない。それもすべて目標のため。「五輪の舞台で国旗を背負って戦っているイメージがある」と言い切る。まずは来年11月から始まるリオ五輪出場をかけた予選。大好きなEXILE(エグザイル)の「VICTORY」を聴き、静かに熱い闘志を燃やす。
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