あす22日、展示場がリニューアルされるオオカンガルーの飼育展示係を務める 和田 優子さん 南区在住 39歳
女性だから出来る飼育を
○…3月からほぼ休みなしで、あす22日のリニューアルに備えてきた。担当するオオカンガルーは神経質な動物。”生命をあずかるプレッシャー”にさらされつつ、ストレスとなる引っ越しや環境の変化が極力負担にならないよう、心を砕いてきた。新しい展示場は群れで生活するカンガルー本来の姿が体感できる。「皆さんにカンガルーの魅力を伝える努力をしていきたい」
○…「動物の仕事がしたい」と記した小学校の卒業文集。小さな頃から、動物とふれあえる野毛山動物園はお気に入りの場所だった。中学・高校時代は金沢動物園の飼育係を紹介してもらい、話を聞きに通ったことも。「男性職場だから大変だしキツイぞ。けど、やる気があるなら挑戦しな」という言葉に勇気づけられた。その後、横浜市に採用され、2年間公立の老人ホームを担当した後、念願の動物園への異動が叶った。
○…オオカンガルーの担当になったのは7年前。当初まず取り組んだのが、約40頭のカンガルーすべての名前と顔を覚えることだった。「3カ月間、ずーっと見ていました。覚えないと管理できないと思って」。この個体識別が病気対策に役立った。毎年、数頭が死んでいた寄生虫による病気を減らそうと、獣医と投薬の仕方などを相談。かかりやすい年齢の個体や病気の個体を識別することで、生存率を改善し頭数は64頭に増えた。「顔はみんな違うんですよ。個々を識別できれば、ケガや病気を早期に発見しやすい」と愛情あふれる表情を見せる。
○…「女性だからできることもある」とにっこり。若い頃は「男性と同じようにやらなきゃ」と身体能力を超えて無理をしたことも。だが年を重ね、工夫や動物と心を通わせることで対応する術を学び、肩の力が抜けた。「要は適材適所。大事なのはどうすれば一番動物にストレスがかからないか」。来園者にも動物にも、いつも笑っていられる飼育員になれればと願う。
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