「農seed農life」の代表で、5月27日に食を問う映画の上映会を行った 鈴木 知子さん 金沢区平潟町在住 55歳
いのちのもと、種を知って
○…安全で栄養価の高い食物を誰もがつくれることを示した映画”エディブル・シティ”そのものを、地元・金沢で実現させたい――。第一歩として区内で上映会を企画した。「住んでいる周りでつながりができれば」。自分の庭や街の空きスペースで、土地に合った野菜が育つ地域――そんな夢の種まきは始まったばかり。
○…東京都出身。元々「おいしいものを食べるのも、納得のいくものをつくるのも好きだった」。25年前に患ったバセドウ病が「生きる方向を変えた」。食事に玄米、生活に自然療法を取り入れるなど身体を考えたスタイルに徐々にシフト。興味は深まり「2人の娘を置き去りにしてアメリカで勉強したことも」と笑う。
○…野菜づくりへの関心を漠然と持ったまま、転機が訪れたのが2011年。天然酵母のベーグルをつくっていたカフェで、畑をつくりたいと話す客の輪に「私もやりたい」と加わった。草刈りすら分からない状態でのスタート。「土を触るだけで疲れるし、虫も触れなかった」。勉強会に通う中、「自分でつくるものしか安心できない」という講師の言葉が刺さった。「種は食のもと。一年中スーパーにある野菜は、どれだけ大変なことをして育ったんだろう」。知るほどにその大切さが分かるように。「大根だけでも100種以上ある。量産されたものも良いが、味も知らないような野菜を残さないと」。2年前にスペシャルシードマイスターの資格を取得。「体も土に慣れ、身土不二の意味がわかった」
○…「種のないところに命や生活はない」。NOと農をかけた「農seed農life」の名前で、今年3月から活動する。フィールドは畑。自然栽培にこだわり土からつくった朝比奈の畑では、本来の旬や大きさの”自然な”野菜が育つ。食材に気を使う飲食店での畑づくりや、一から育てた苗の販売なども少しずつ始まっている。「食べ物は自分でつくれる。それを皆にもっと知ってほしい」
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