4月から「横浜子育てパートナー」として活動する 網谷 東子さん 金沢区大道在住 47歳
人は変わることができる
○…子育て期の様々な悩みごとの相談窓口として各区に1人、配置された「横浜子育てパートナー」。「相談だけでも大変な勇気がいること。託された勇気を適切な機関につなぐ一助になれれば」と話す。地域子育て支援拠点やYMCAでの勤務、自主保育活動などの経験を生かし相談者に寄り添う姿勢を貫く。「一緒に笑顔になれる方法を考えましょう」と呼びかける。
○…母親の厳しいしつけで自己の存在を否定され続けた幼少時代。「いわゆる”安全基地”がなく、自己肯定感が低い子どもでした」と振り返る。小学校の先生が、「文章がうまい」と褒めてくれたことは今でも心に残る。中高では、「暗い人生は嫌だ」と意識してキャラを変えようとバレーボール部に。不安を抱えながらも、頑張り続ける日々を送ってきた。
○…就職、結婚を経て母親に。子どもと接する職業だったが、初めての子育ては分からないことだらけだった。孤立し行き詰まり、「絶対に頼りたくない」実家に戻った時期も。他の子と比べ、できないわが子を認められないこともあった。「なぜ自分はこんなに生きづらいのか--」。そんな時に出会ったのが、自死遺族の会を主催する南山みどりさんだった。
○…南山さんとのカウンセリングを通し、少しずつ自己との愛着を形成できるように。「自分が自分の安全基地になることを気づかされた」。だからこそ、南山さんから受け継いだバトンをつなげ、「親が与える安心感」の大切さを伝えたいと願う。「存在を受け入れることが、安心につながる。もちろん間違った行動は向き合って正すべきですが」。どんな過去でも人は立ち上がり、変わることができる――。温かい希望の光を宿した目で、親と子を見守る。
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