中等教育の多様化を図り、1999年に制度化された「中高一貫教育」。中学・高校の6年間で切れ目なく、計画的・継続的な教育課程が展開できるようになった。近年は、公立の中高一貫校開設も進み、中学受験の選択肢として注目されている。
「中高一貫」の形態は大きく分けて3つある。6年間での一貫した教育課程を持つ「中等教育学校型」が、そのひとつ。6年を3年ずつ前期と後期に分け、高校からの募集を行わない。また、市立中学と県立高校など、設置者の異なる中・高が、カリキュラムの共有や生徒・教員の交流を行う「連携型」もある。そして、高校に附属中学がある「併設型」。多くの私立中・高がこれに当たり、内部進学に加えて高校からの受験・進学が可能な学校が大半だ。
近年増えているのが公立の「併設型中高一貫校」。横浜市でも、市立一貫校の設置が進む。2012年度に開校した市立南高校附属中学は、初年度の受験倍率が10倍超え。今春高校進学を迎えた当時の入学者は、全員が南高校へ進学した。
「公立の中高一貫校は学費の低さが特長だが、学校の魅力作りにも力を入れたい」と市担当者。17年度にはサイエンスエリートの育成を目指す、サイエンスフロンティア高校に市内2番目の附属中学が開校する。
学習のゆとり、魅力に
なぜ、中高一貫校が注目されるのか。そのひとつが、
「学習環境のゆとり」だ。高校入試による”学びの中断”や、中高での学習内容の重複・不連続がなく、6年間で継続した教育課程を設けられる。特に私立は、独自の校風・建学精神のもと、6年間を通した人格形成に力を入れている。大学受験を見据えた学力向上に重点を置く学校もあり、カリキュラムも柔軟。ある私学校長は「少人数制や英語教育・キャリア教育・課外体験の充実など、心身ともに成長する時期に、丁寧な関わりを持てる」と一貫校ならではの特色を語る。
「近年、子どもの性格や適性に合った学校を選びたい、と考える保護者が増えているよう」と同校長。私立・公立の分類だけでなく、教育内容にも主眼を置いた学校選びが加速しそうだ。
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