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「すべては難聴に悩む人のため」 戸塚区の補聴器店・おみみショップ
「こんなにやりがいのある仕事はない」――。戸塚区下倉田町の補聴器店「おみみショップ」を営む大槻公孝さんは、この数か月間を振り返って感慨深そうに話す。昨年9月、NHK Eテレの番組「ろうを生きる難聴を生きる」でその仕事ぶりが紹介されて以降、北海道から沖縄まで、全国の難聴に悩む人が同店を訪れている。その一人ひとりに真摯に向き合い「より良い聴こえ」のために力を尽くしてきた大槻さんに、今の想いを聞いた。
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「この聴こえ方を、何年も何年も探してきた」。大槻さんが調整した補聴器を耳に取り付けたある年配の男性は、ハンカチを目に当てるより先に涙をポロポロと流し、そう打ち明けた。今回の番組をきっかけに同店を知り、「聴こえるようになりたい」という一心で訪れたという。
難聴の経験糧に
同店を訪ねる人は、硬い表情だったりうつむき加減だったりすることが多い。「聴こえに悩む人の多くは四六時中、他人とのコミュニケーションの不安を抱えている。そのストレスが表情に表れてしまうのでないか」と大槻さん。そしてそんな一人ひとりに対し、数時間をかけて悩みや苦しみを聴き取っている。
大槻さん自身、高校生の頃に難聴を患い、長い間悩んできた経験がある。前職では通信機器関係のエンジニアだったが、退職した原因はやはり難聴による仕事への支障だった。「聴こえないことの苦しみは途方もない。それを共感できるのが、自分にしかできない強みだと思う」と話す。来店者の多くは、共感してもらえた感動と、エンジニアならではの適切な聴力検査、そして調整技術により満足し、柔らかく明るい表情になって帰っていくという。
調整技術を確立
補聴器に不信感を抱く人は多い。「高額な商品を買ったのに聴こえるようにならない」といった経験がそうさせるのだという。この傾向は数字に表れている。ある調査によれば加齢難聴を患う人の推計は1500万人を超える一方、補聴器の販売台数は簡易型を含め年間55万台超と、低い水準だ。
一概に難聴と言っても、聴こえにくい音域(音の高さ)や耳の状態は、人によって千差万別。だからこそ、的確な機種選定と正確な調整、さらに使用者に合わせた設定が不可欠だという。
大槻さんは今回の放送をきっかけに、遠方から来る人が何度も通わなくて良いようにと、初期調整で補聴器を最適に仕上げる技術を新たに確立した。「最新の補聴器には、70年以上の難聴音響工学の歴史が詰め込まれている。その能力を100%生かすのが、補聴器職人のつとめ」と話す。
調整の技術に自信を見せる一方、「補聴器はあくまでも聴こえを補助するもの。神様が作った耳を完全に再現することはできない」とも話す。「まずは耳を大切にして、少しでも違和感がある場合はまず耳鼻科へ。そして補聴器を勧められた際は、迷わず専門店にご相談ください」と呼びかける。
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