中区・西区をはじめ、市内で健康講座を多数開催する 谷上 鎮隆(やすたか)さん 中区石川町在住 81歳
歌で心身健康に 講座30年
○…麦田や本牧原の地域ケアプラザや老人福祉センター野毛山荘などで、心と体を健康にするための講座を行う。そこで伝えたいのは、音楽の素晴らしさや気持ちを吐き出すことの大切さについてだ。
○…健康講座を始めて30年。心の病を患ったこともあり、「せっかく病気したなら伝えなくては」と経験を広めている。初めは中学2年生。当時流行していたハンセン病を自らも患ったと思い、恐怖で感情表現が上手くできなくなったという。その状態が10年ほど続いたが、意を決して診察を受けたところ勘違いだったことが判明。安心したのもつかの間、それまでの精神的負担が身体に異常として現れ、2年8カ月入院することに。当時新たな治療法であったカウンセリングを受けることで快方に向かい、心のつかえを吐露することの重要性を痛感。話すことのほか、「音楽でも心と体を開放できる」と、歌を用いた健康法も説いている。
○…磯子区生まれ。生後間もなく太平洋戦争が始まり、石川県に疎開。戦後に石川町へ移り、70年以上になる。高校卒業後は明治製菓(株)に就職。一時は心を病み休職するが、復帰後は「明るくなって、知識欲が止まらなかった」と定年まで「イソジンうがい薬」など薬品約40品目の研究開発に携わった。
○…職場で出会い長年連れ添った妻の佳子さんが、昨年天国に。今は2人の娘とひとつ屋根の下で暮らしている。「喪失感はない」というが、遺影とともに講演を行い、持ち歩く手帳には思い出の写真が詰まっている。辛い時に支えてくれた佳子さんへの恩返しも含めて健康講座は続け、活動の場を広げていきたいという。亡き妻への思いを胸に、今後も心と体の健康に寄り添っていく。
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