神奈川県行政書士会横浜中央支部の支部長に就いた 松本 康二さん 西区平沼在住 57歳
人に寄り添い生きる
○…官公庁に提出する営業許可や事業承継の申請書類、契約書、遺言書などを依頼者の要望に沿い作成する「街の法律家」行政書士。中、西、保土ケ谷区内の312人が所属する「神奈川県行政書士会横浜中央支部」の支部長に就いた。「『行政書士ってどんな仕事しているのと聞かれることが多い」。任期となる2年間で無料相談会などを通じ「気軽に相談できる環境の整備を進めたい」と展望する。
○…中学2年生の頃に手にした1冊の本に大きな影響を受けた。明治後期から大正期にかけ、小さな村で差別に苦しみながら生きる人々の姿を描いた住井すゑの大河小説『橋のない川』。自身の生活からは想像し得ない苦しみを抱え、生きている人がいるという現実を知り、14歳の少年の心は大きく揺さぶられた。「誰かの助けになりたい」。法律家の道を志すことを心に誓ったのはこの頃だ。
○…熊本の名門・濟々黌高校から中央大学の法学部に進学。30歳手前まで司法試験に挑み続けたが夢叶わず「挫折を味わった」。法律専門学校の教員、建設・不動産業の営業マンを経た後、8年前に行政書士として独立。開業した際、夜が明ける少し前に夜空に浮かぶ月の様を表す「有明」という言葉を古今和歌集から引用し事務所名に冠した。「相談に訪れた人に光明を与えることができればという思いなんです」。14歳の時に抱いた思いは40年経った今も変わらない。「『夜明けは近いですよ』という意味ですね」。言葉を選び、ひと言一言、ゆっくりと話す姿が印象的だ。
○…整然とした事務所の一角に1本のアコースティックギターが置かれている。中学時代から興じてきた長年の趣味。人気外国人ミュージシャンの日本公演を最前列で観覧するほどの音楽フリークだが、ここ最近、奏でるのは「となりのトトロ」や「アナと雪の女王」などアニメソング。この夏、3歳になる愛娘に弾き語りで披露し喜ばせている。
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