野毛のジャズ喫茶「ちぐさ」が主催するコンテストでグランプリを受賞した 宮脇 惇(あつし)さん 横須賀市在住 24歳
クラリネットの先導役に
○…現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」=中区野毛。若手演奏家の発掘・支援を目的に2013年から開かれている「ちぐさ賞」の第6回グランプリに輝いた。「まさか自分が選ばれるとは思っていなかった」と驚きを隠さない。コンテスト初挑戦とあって「緊張のあまりステージでどんな演奏をしたか覚えていない」とはにかんだ。
○…ジャズと出会ったのは小学3年生のころ。自宅にあった映画「Benny Goodman 物語」を視聴し、クラリネットの音色の虜に。父親に懇願して楽器を手に入れ、演奏技術を独学で身につけていった。「高校を出たら就職しようと思ってました」と振り返るが、父親に「ジャズが好きなら受けてみろ」と高校3年の夏から楽典を猛勉強。そして洗足学園音楽大学ジャズ科に現役で合格。「演奏には自信がありました」と飾らずに語る。卒業後は都内や横浜、横須賀などでのライブ活動をはじめ高齢者施設で慰問演奏も行う。
○…生まれも育ちも横須賀。地元の友だちからは「『儲かるの?』とか他愛もないことを聞かれますよ」と笑った。「横須賀にもたくさんいい店がある。東京や横浜からもっと人を呼び込めるようにしたい」と地元への想いは熱い。また「絵が大好き」と美術館にもよく足を運ぶという。「油でも水彩でもいい。とにかく描いてみたい。風景がいいですね」と話した。
○…ちぐさ賞の審査委員長で日本を代表するジャズ評論家の瀬川昌久氏から「美しくやさしい音色を表現する、正当なジャズクラリネットの伝統の継承者」と評された。「ここからがスタートです」。王道である「スイングジャズ」を自分なりに発展させ、継承させていきたいと意気込む。「ずばり目指すはカーネギーホールです」
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