宮前ガバナンス1月号 連載寄稿 市北部のコミュニティ交通、電気バスの可能性探る 〜東京都羽村市の事例検証〜 川崎市議会議員 石田やすひろ
日本初の電気バスによるコミュニティバス実用運行となった東京都羽村市の「はむらん」を視察してきました。川崎市でも秋ごろに川崎駅前から市立川崎病院までの1周2・4Kmで導入を予定。また、市北部ではコミュニティバスの導入を目指した取組みが行われています。そこで、山坂の多い地域でも電気バスの普及は可能なのでしょうか。EVバスの性能を探ります。
EVバス「はむらん」は、日野自動車製の小型バスを使用。1回の走行距離は14・4Kmで、所要時間は66分。コースを1周する毎に1回の運転手の休息を兼ねた充電を行っていました。運転手の方によると、電池使用量は95%のスタートから1周約40%。余裕を持って走行していました。
費用面については、車両購入や充電施設は国や都の補助で市の支出はゼロ。2013年度の運営に関しては収入約129万円に対して支出は約1048万円。不足分の約919万円は市が補てんしていました。採算性を重視する川崎市の考え方とは対象的です。
結論です。川崎市の北部では山坂が多く、EVバスは不適との声もあります。羽村市の平地を走行するのとは事情が違います。しかし、「はむらん」のように、満電から半分の範囲で走行を実現していることから、坂道の走行も一定の範囲であれば可能であると言えます。問題は、維持・管理費の部分をどのように扱うかということです。車もバスもイノベーションが進んでいます。川崎市は「環境都市・かわさき」にふさわしい、官民の共同による公共交通のグリーン化を促進すべきです。
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10月4日