宮前ガバナンス8月号 連載寄稿 特別自治市は何故、必要か!税制とサービス前編 〜川崎市・横浜市・相模原市と県の関係〜川崎市議会議員 石田 やすひろ
「特別自治市制度」とはどのような制度でしょう。政令指定都市である本市が、特別自治市を目指す訳を、解説します。現在の自治制度は、都道府県と市町村からなる、二層構造で成り立っています。県と市の役割分担により、行政サービスを提供しています。しかし、神奈川県と3政令市と3政令市以外の間に、非効率で不公平な課題を抱えています。そこで本市は、1層制にして、非効率な部分を是正していこうと唱えています。
県内の人口比率では、3政令市の人口比は65%を占めます。3政令市と3政令市以外の市町村に対する県の税収入と支出するサービス比率に課題があります。県税収入比では、3政令市の61%に対して、3政令市以外は39%です。一方、県の支出するサービスは、3政令市の48%に対して、3政令市以外では52%となっています。
例えば、小児医療費助成事業は、小学校6年生までの通院費と、中学校卒業までの入院費の自己負担額を、助成しています。助成費は、自治体の負担となります。県の補助では、指定都市で4分の1の補助率となっています。3政令市以外では、3分の1と手厚くなっています。
また、ひとり親家庭の方を対象とした医療費助成制度でも、県の補助は3政令市では3分の1となっています。3政令市以外では、2分の1の補助と、こちらも手厚くなっています。同じ県内の子どもの医療費であるのにも拘らず、格差をつけているのです。3政令市では、その差額を市が負担する不条理な状況が続いています。
本市は、政令指定都市として納められている税収に見合ったサービスを受けていないとして、県に異議を申し立てています。子どもの医療に対して、サービスや対応が異なるのは、税の公平性からも問題です。本市が神奈川県の区域外となる事で、問題は解決します。県の機能と財源を本市に一本化すれば、上記のような課題を解決できます。引き続き、特別自治市制度の早期実現を目指して、本市議会より国や県に求めてまいります。
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11月29日
11月22日