宮前ガバナンス11月号 連載寄稿 AIを活用して消防力の強化へ! 〜救急車の現場到着時間短縮に向けて〜川崎市議会議員 石田 やすひろ
第4回川崎市議会定例会で「AIを活用した救急隊の現場到着時間の短縮に向けた、実証実験に関する協定」について代表質問で取り上げました。本協定では、AIを活用して集中する救急需要を予測し、救急車の適正配置を目指します。ニーズのあるエリアを予測し、救急車の配置を厚くする事で、現場到着時間の短縮を図ります。人間の判断だけでは、救急需要予測をするには限界があります。そこで、AIにより過去の救急データ等を活用して、科学的に需要予測するのです。
近年、高齢化の進展等の影響で、救急件数は増加していました。令和元年の救急件数は、7万5513件でした。令和2年は、新型コロナ感染症の影響により6万件台に減少していましたが、依然、高い水準です。これまでは、需要集中の発生に併せて救急隊を増強していました。しかし、令和3年度の実績では、現地到着8分の目標に対し、9・5分かかっていました。一部地域への集中が見込まれる状況にあって、救急隊の現場到着時間を短縮していくためには、最先端の技術を導入したい考えです。
AIの導入に向けて令和4年度は、民間事業者4社と協定を結んでいます。協定を結んだ事業者により、過去の救急出動に関するビッグデータをもとに、アルゴリズムを作成します。反映する活用データは、平成25年度〜令和3年度の9年間における約60万件の救急出場に関するデータです。AI により救急需要を予測し、本市に29ある救急隊の、救急車両の適正配置により、救急要請から救急現場到着までの時間短縮を目的とします。
今後、本市は、AIを有効活用するため、実証検証を重ね導入を目指します。最先端の情報技術により、市民の命がより多く救えるのであれば、早期に導入すべきです。新型コロナ感染症の拡大により、患者受け入れを制限し、現場待機の時間が長くなる事案も問題となっていました。早着と同様に、病院までの搬送における時短の対策も重要です。
引き続き、AIの導入により、救急需要に的確に対応し、現場到着、搬送と連動した時短対策を求め、川崎市議会で取り上げて参ります。
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11月29日
11月22日