伝統料理で3世代交流 金井小で「うどんの会」
小野路、野津田、金井、大蔵の4地域からなる鶴川第一地区委員会(新倉孝之委員長)では、地域交流活動の一環として、お年寄りが地域の子どもたちに伝統を伝える「うどんの会」を開催している。
今年で20年になるこの活動は「地域のお年寄りの話を伺いながら、地粉でうどんを作って、それを楽しく頂く」というもので、今年は金井小学校(石井清文校長)で行われた。
同委員会が主催で、地域の町内会や自治会、各学校PTA、老人会(永寿会、鶴寿会)の協力の下、子どもたちやその保護者ら約300人が集まった。
町田市には古くから「うどん文化」があった。昔、町田の農家はコメ作りも行っていたが、現金収入になるコメはほぼ販売に当て、自分たちは小麦を主食とするのが主流となり、文化が広がった。ちなみにこの地域のうどんは従来のものより細い。うどんのことを「ソバ」という程で、これは明治時代に製麺機が登場した際、本来ソバ用だったものを使用した為。昔はどの家庭にもあったという。
おばあちゃん世代代表の高橋初枝さんが「昔は赤ちゃんを背負いながら足踏みをした」と、地粉をこねて伸ばすところから実演。「ねんどの感覚」で児童らは楽しみながら地粉に触れた。
手動の製麺機は子どもたちが取り合いに。親も興味深く器械を触った。「自分が子どもの頃は毎日手伝わされたなぁ」と石井校長が懐かしむ。それぞれの製麺機でお年寄りが指導にあたり、「町田の『そば』は、細く長くいつまでも、という意味でお祝いの締めの料理に出されたのよ」などの昔話を交えて、子どもと親と、おばあちゃん世代の交流が広がった。
出汁に醤油のつゆは関東風。地粉はもちろん、具のネギ、ゴボウ、薬味としてのゆずも地元農家のもの。子どもたちや親が楽しみながらよくこねたので、コシのあるおいしいうどんになった。その出来上がりに「今まで食べた中で一番おいしい」との声も。その姿にお年寄りたちは目を細めた。
同委員会では12月に地元のワラを使用した「しめ飾りづくり」を行う。そして「地域の人々に、地元の伝統を伝えていくのが我々の役目です」と話した。
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