新設のハイパーレスキュー 都内の防災力を強化 危険物安全週間 市内で訓練
東日本大震災での教訓から、大規模複合災害に備え、東京都の防災力を強化するため今年3月、町田市を含む南多摩と西多摩地域を管轄する消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が八王子市で発隊し、運用を開始した。
ハイパーレスキューは阪神・淡路大震災の教訓から通常の消防力では対応困難な災害等に迅速に対処するための部隊として、1996年12月に創設された。
八王子市に新たに配備された第九消防方面本部消防救助機動部隊は町田市、多摩市、福生市など8市をカバーする。この部隊には原発事故などのNBC災害にも対応できるよう、通常のハイパーレスキューの装備の他に、鉛板および水槽で車体を覆い、放射線防護機能を有した「特殊災害対策車」や陽圧機能を有し、悪路でも走行可能な6輪駆動の「高踏破偵察車」などが整備されている。
同部隊が4日、小山ヶ丘の東京航空計器株式会社本社工場(若杉進二社長)で行われた消防救助演習に参加した。
これは全国危険物安全週間(2日〜8日)に伴い実施されたもので、同部隊と共に町田消防署(原修署長)の指揮隊・はしご隊・特別救助隊・西町田1、2小隊・救急隊が参加する大規模なものとなった。
「強い地震により危険物が漏えい、火災が発生し社内に逃げ遅れた人がいる」と想定し、同社の自衛消防隊員による初期消火と社員500人の避難誘導、5階に取り残された要救助者をはしご車を架梯して救出、そして、陽圧防護衣を着装したハイパーレスキュー隊員が化学測定器を使用しながら屋内に侵入し要救助者を救出するなど実践的な活動が行われた。
原署長は「訓練ではスムーズでも、実際は臨機応変さが求められます。今回のような大掛かりな訓練はなかなかできないと思います。誰が指揮を執り、どう動くのか、被害を想定して動くことをちょっと頭の隅に入れておくだけでも初動が変わってきます」と講評した。
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